...その人々は本場仕込みのツンツルテンで脛(すね)の露出し具合もいなせなり腰にはさんだ手拭も赤い色のにじんだタオルなどであることがまず人目を欹(そばだ)たしめるのであった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...次は昔の日本橋で元祿時代と覺しい風俗人形――丁髷のいなせな肴賣が豆絞りの手拭をねぢり鉢卷にし...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...昔のいなせな兄い連のそれと異るのは勿論...
豊島与志雄 「風俗時評」
...私(わっち)も江戸っ子だからね」「道理(どうれ)で生粋(いなせ)だと思ったよ」「えへへへへ...
夏目漱石 「草枕」
...万事こぎれいで、いなせで、ふるいつきたいほど声がいい...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いなせな高級馭者がひっきりなく往来し...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...いなせな黒眉の哥薩克さん! あなたの...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...物事万端すこぶる侠(いなせ)にならざるを得ない...
正岡容 「寄席行燈」
...二十歳程のいなせな男――それはお春に三つましの兄人(あにびと)で...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...そつくりかへしておしまいなせえ」のところ応(こた)へたり...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...いかにもいなせなように見えた...
山本周五郎 「へちまの木」
...あまりに藤夜叉がまだ若くてきれいなせいか...
吉川英治 「私本太平記」
...きれいなせせらぎの階音にも似た声音(こわね)には気のせいか覚えがあった...
吉川英治 「私本太平記」
...いなせ者が多い深川のことだ...
吉川英治 「醤油仏」
...なんでも気ままを言いなせえよ」護送役の二人の小吏も...
吉川英治 「新・水滸伝」
...祝い物なんぞは打っちゃっておしまいなせえ」「そうもゆかん...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いッそ川の中へ蹴転がしてしまいなせえ」「まアいいわ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...今のうちに道をはかどっておしまいなせえ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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