...どこかいなせな風格があった...
芥川龍之介 「魚河岸」
...次は昔の日本橋で元祿時代と覺しい風俗人形――丁髷のいなせな肴賣が豆絞りの手拭をねぢり鉢卷にし...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...お使いなせえ」小太郎は...
直木三十五 「南国太平記」
...いなせえ」「ナニ...
中里介山 「大菩薩峠」
...いなせな唐桟(とうざん)ずくめの男である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...二十五六のいなせな男で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あまりに日本橋といえばいなせに...
長谷川時雨、三上於菟吉 「旧聞日本橋」
...吉兵衛の死骸は、火がまわったところを見すまして梯子で三階の出窓から火の中へ跳ねとばしたんだが、あれほど大きな梯子を櫓から外してまた櫓へかけるようなことは、おもんには出来る芸当じゃねえからな」「神田屋さん、そりゃア……」「まア、黙っていなせえ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...古式の侠(いなせ)な姿で金棒(かなぼう)突(つ)き佃節を唄いながら練ってくる...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...ひどくいなせな口調で...
久生十蘭 「魔都」
...眼差の鋭い勇肌(いなせ)な哥兄(あにい)...
久生十蘭 「魔都」
...いなせな黒眉のお兄さんつてば!」彼女はさう言ひながら自分の顔を相手の頬におしつけて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...雪之丞は、この府内に最近上って来たばかり、闇太郎という名から推して、大方、盗賊、夜盗の綽名(あだな)とは思ったが、それにしても、あの粋(いき)で、いなせで、如何にも明るく、朗かな若者が、そうした者とも思われない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大した御機嫌さんで――」一八いなせに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...芝居にて江戸風の大いなせにすることにつきては...
三木竹二 「いがみの権太」
...どうぞあれをいなせて下さいまし...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...包みを背負ったいなせな旅商人ていの若者が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...今のうちに道をはかどっておしまいなせえ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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