...一斉(いっとき)に湧(わ)き動揺(どよめ)いて...
泉鏡花 「薄紅梅」
...」と一斉(いっとき)に云いかけられて...
泉鏡花 「婦系図」
...借りた金はいっときも早く返したい...
伊藤左千夫 「去年」
...お父様をお呼びする一時(いっとき)ばかり前に飲んだという返事です...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...一時(いっとき)なりとも人に肩代りをしてもらう心安さを...
中里介山 「大菩薩峠」
...一刻(いっとき)あまり谷中を引廻したそうだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たった一刻(いっとき)で着いてしまいます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暗い三和土の上でいっとき黒犬が降りて来いと甘えて吠えていた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...ピーといっときは甲高い汽笛を最後に...
正岡容 「寄席」
...ただのいっときも...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「ヘンゼルとグレーテル」
...「あなたは苦しむのよ」とおしのはあやすように云った、「死ぬ苦しみは、いっときだわ、あっけないほどすぐに済んでしまうの、――あなたはそうはさせない、あなたは生きている限り苦しむのよ、親を殺せば磔(はりつけ)か火焙(ひあぶ)りでしょう、あなたは自分が密通をしたこと、密通をして産ませた自分の娘が、磔か火焙りになったということ、世間の人たちがそれを知っていることで、死ぬまで苦しまなければならないのよ」「嘘だ、そんなことができるものか」「見ていればわかるわ」と云って、おしのは風呂敷包みを持って立ちあがった、「――お裁きは長くはかからないでしょう、十日もすればきっと江戸じゅうの評判になる筈よ」「そんなことはさせないぞ」源次郎も立ちあがった、寝衣の前がだらしなくはだかり、濃い毛の生えた脛(すね)がまるだしになった、「――おまえが本当におしのなら、おれはそんなふうに死なせはしない、おれの罪は罪としても、おまえを死なせるわけにはいかない、とにかくもういちど坐って相談をしよう」「どんな相談があって」「生きることだ」と彼はけんめいな眼つきで云った、「おまえは若いし、そんなにきれいだ、自首さえしなければなにもわからずに済むだろう、罪ほろぼしにおれがどんなことでもする、頼むからおれの云うことを聞いてくれ」「それが苦しみの始まりね」おしのは低く笑った、「――お仕置にならなくっても、あたしは長くは生きられないのよ、この躯はお父つぁんと同じ病気で、もう二度も血を吐いたんですから」「私は、私は力ずくでも止めるぞ」「やってみて下さい、一と声叫べば女中が来るでしょう、どうせ白首するんですから、町方を呼んでもらって、あなたの眼の前でお繩にかかりますよ」源次郎は両手をだらっと垂れた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...いっとき溜息をつくような気持であった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...なんならいっときまをおいて」そのとき向うで叫び声が聞えた...
山本周五郎 「やぶからし」
...ほんの朝の一刻(いっとき)であるがうすい日光が射すといよいよ美しい...
吉川英治 「黒田如水」
...一刻(いっとき)以上も...
吉川英治 「茶漬三略」
...一刻(いっとき)の間も早う...
吉川英治 「茶漬三略」
...一時(いっとき)...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...一時(いっとき)...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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