...一から十までが干渉好きの親分肌の矢野次郎の実業一天張(いってんばり)の方針と相容(あいい)れるはずはなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...極めて平凡な常識一点張(いってんばり)の実業家気質から見れば二葉亭の実業論が非常な空想を加味していたのは争われなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...二葉亭の実業というは単なる金儲け一天張(いってんばり)ではなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...何万分の一とか何とかいう尺度一点張(ものさしいってんばり)の正確と精密とはかえって当意即妙の自由を失い見る人をして唯(ただ)煩雑の思をなさしめるばかりである...
永井荷風 「日和下駄」
...とうてい思うように纏(まと)まらないと云う一点張(いってんばり)に落ちて来た時に――やっと気がついた...
夏目漱石 「坑夫」
...津田が人情一点張(いってんばり)でそれを相手にする気色(けしき)を見せないと...
夏目漱石 「明暗」
...忠君愛国一天張(いってんばり)の形式教育によりて...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...すべてが頑固一点張(いってんばり)に仕上げてある...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「何や」「何かな」一点張(いってんばり)の極めて単調なる者となりをはりて...
正岡子規 「俳人蕪村」
...いつまでも大資本による独占的な営利主義いってんばりでは...
三好十郎 「猿の図」
...大原君が洋行から帰って来て天下に家庭教育の改良を呼号(こごう)する時分はまた大食一点張(いってんばり)の大原生(せい)でないぜ...
村井弦斎 「食道楽」
便利!手書き漢字入力検索