...故(ゆえ)に拷問を用いずして人に罪あるかなきかを知る...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...あるかなきかに小さくなり...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...甘つたるい匂をあるかなきかの風に撒き散らしてゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...そして苦みがかつた酸味にあるかなきかの甘さが萠して来るが...
薄田泣菫 「独楽園」
...あるかなきかの風が...
豊島与志雄 「白日夢」
...あるかなきかの金色の産毛...
豊島与志雄 「理想の女」
...あるかなきかの世界に変ってしまったことも...
中里介山 「大菩薩峠」
...ありぢごくの黒い手脚にかんかんと日の照りつける夏の日のまつぴるまあるかなきかの蟲けらの落す涙は草の葉のうへに光りて消えゆけり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...それは、雨の降るそぼ寒い日に、しまつてあつた着るものを出してひつかけると、薄い汗の香(か)が鼻をかすめると、その、あるかなきかの、自分の汗の匂ひの漂よひと、過ぎさる夏をなつかしむおもひを、わづかの筆に言ひ盡してあるのを、いみじき言ひかただと、いつでも夏の末になると思ひ出さないことはない...
長谷川時雨 「きもの」
...あるかなきかの恋情を寄せてみたりする場合もある...
林芙美子 「恋愛の微醺」
...あるかなきかのように頸へ巻くとか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あるかなきかの心地するかげろふの日記といふべし...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...甚しきはあるかなきか分らぬやうな名所を...
正岡子規 「人々に答ふ」
...秋はてて霧の籬(まがき)にむすぼほれあるかなきかにうつる朝顔秋にふさわしい花をお送りくださいましたことででももの哀れな気持ちになっております...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あるかなきかの微笑がゆらぐようにみえた...
山本周五郎 「青べか物語」
...あるかなきかに会釈した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その主流が支那人であるかなきかを確め...
横光利一 「上海」
...あるかなきかのごときうぶ毛によって作られた眉は...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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にじんだような 短い時間のうちに 力を出し切る
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