...岡は倉地に対し葉子に対して少しの間(あいだ)返事をあえてするのをはばかっている様子だったが...
有島武郎 「或る女」
...社会の風俗を無視して奇異なる行動をあえてするにいたることがある...
丘浅次郎 「生物学的の見方」
...酒や宗教で人を殺すものは多いがコーヒーや哲学に酔うて犯罪をあえてするものはまれである...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...天然ばかりか同胞とその魂の上にも自分勝手な箸を持って行くような事をあえてする...
寺田寅彦 「蜂が団子をこしらえる話」
...この厚顔の所行をあえてするについての唯一の申し訳は...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...それを知りながら福村が賞讃をあえてするところを見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...実際は東洋城も独断で先例のない事をあえてするのを憚(はばか)って...
夏目漱石 「思い出す事など」
...元来がそう云う情ない依頼をあえてするくらいですから曲折どころではない...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...看護婦は入口の柱の傍(そば)へ寄って覗(のぞ)き込むようにすれば見えると云って自分に教えてくれたけれども自分にはそれをあえてするほどの勇気がなかった...
夏目漱石 「行人」
...それすらあえてする勇気を必要と感ぜしめなかった...
夏目漱石 「行人」
...けれども卑怯(ひきょう)な自分はそれをあえてする勇気をもたなかった...
夏目漱石 「行人」
...それをあえてするほどの勇気をもった人です...
夏目漱石 「行人」
...余の主義として衝突はこちらが勝つ場合についてのみあえてするが...
夏目漱石 「自転車日記」
...それをあえてする僕を自分で憎(にく)み自分で鞭(むち)うった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...それほど盲目的に猛烈な働(はたらき)をあえてするに適しない事を深く悲しんだ...
夏目漱石 「門」
...牧師が通常見積りをあえてするのを避けるので...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...なぜこのような悲観的な予言をあえてするかと言うに...
武者金吉 「地震なまず」
...自分があえてすることはすべてこれをあえていうよう自分に命じ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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