...私は全く凡下(ぼんげ)な執着に駆られて齷齪(あくせく)する衆生(しゅじょう)の一人に過ぎない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...そんなことでは縦令(たとい)お前がどれ程齷齪(あくせく)して進んで行こうとも...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...また今にして早くそを知らむとする程小成の満足に齷齪(あくせく)たるものに非ざる也...
石川啄木 「閑天地」
...齷齪(あくせく)と糧(かて)を爭ふ十萬の市民の...
石川啄木 「漂泊」
...年中齷齪として歳月の廻るに支配されて居る外に何等の能事も無い...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...こんなところに齷齪して...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...この女のために……まさしくこの女のためのみに齷齪(あくせく)思っている間に...
近松秋江 「黒髪」
...貧乏な齷齪した生活をしてる者にとって今の社会が憂欝である如く...
豊島与志雄 「微笑」
...少しも齷齪焦躁の気はなく...
豊島与志雄 「文学以前」
...齷齪とした人事に濁り汚れた頭を...
豊島与志雄 「道連」
...我々は落付いた眼に笑を湛(たた)えて又齷齪(あくせく)と先へ進む事が出来ます...
「岡本一平著並画『探訪画趣』序」
...故意(わざ)と短(みじか)い日(ひ)を前(まへ)へ押(お)し出(だ)したがつて齷齪(あくせく)する樣子(やうす)を見(み)ると...
夏目漱石 「門」
...かく考えると齷齪(あくせく)として...
新渡戸稲造 「自警録」
...齷齪(あくせく)とすわる暇もなく...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...年中(ねんぢゆう)齷齪(あくせく)してゐる………それも立派な作品でも出來ればだが...
三島霜川 「平民の娘」
...それでも會社で機械のやうに齷齪働いて居るよりはましだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...曰く今朝風日佳、北窓過二新雨一、謝レ客開二吾秩一、山妻来有レ叙、無レ禄須二衆眷一、八口豈独処、輪鞅不レ到レ門、饑寒恐自取、願少退二其鋭一、応接雑二媚一、吾病誰※鍼、吾骨天賦予、不レ然父母国、何必解二珪※一、今而勉齷齪、無三乃欺二君父一、去矣勿レ聒レ我、方与二古人一語、星巌集を読めば彼も亦屡々貧を歌へり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...愚かな日常の齷齪(あくせく)が...
吉川英治 「新書太閤記」
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