...」将軍家は歯医者に齲歯(むしば)の療治でもして貰ふ折のやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...どんな不機嫌な折でも(よしんば齲歯(むしば)が痛むで居(を)らうと)神様は屹度お聴き入れ下さると言ひ言ひしてゐるものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...齲歯(むしば)の手当から...
薄田泣菫 「茶話」
...齲歯(むしば)の痛みを覗き込まうとも...
薄田泣菫 「茶話」
...母親は齲歯(むしば)の痛痒(いたがゆ)く腐ったような肉を吸いながら...
徳田秋声 「足迹」
...「右者齲歯ニ罹リ易キ乳歯時代ニ於テヨク留意シ口腔歯牙ノ清掃ヲ励行セラル依テ茲ニ之ヲ表彰ス」といふ物物しさであつた...
外村繁 「打出の小槌」
...黒い齲歯や図太い食慾と一緒に...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...空に光るわが哀傷のはげしき日するどく齲齒(むしば)を拔きたるにこの齲齒は昇天したちまち高原の上にうかびいでひねもす怒りに輝やけり...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...いつそこんな悲しい景色の中で 私は死んでしまひたいのよう! お孃さん!寄生蟹のうた潮みづのつめたくながれて貝の齒はいたみに齲ばみ 酢のやうに溶けてしまつたああ ここにはもはや友だちもない 戀もない...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...その痛さが齲歯(むしば)が痛むように間断(しッきり)なくキリキリと腹(はらわた)を(むし)られるようで...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...此の間お母さんも齲歯が痛んだが...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...齲歯の虫が槍を打ち振つて...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...何の齲歯の虫共ぐらゐ! この美智子の我慢強さを見よ! 暴れるなら幾らでも暴れて見るがよい! 敗けない/\...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...すこし齲(むし)の蝕(く)っている糸切歯(やえば)が唇からこぼれて見える...
吉川英治 「篝火の女」
...齲歯(むしば)むすめ南部馬だの...
吉川英治 「篝火の女」
...歯肉に頑強な根を持っている齲歯(むしば)にも似ている...
吉川英治 「黒田如水」
...齲歯」秀吉の奇警(きけい)な比喩(ひゆ)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...――齲歯の如き存在といってもまだ飽き足りません...
吉川英治 「新書太閤記」
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