...「俺(わ)しがこうして齷齪(あくせく)とこの年になるまで苦労しているのもおかしなことだが……」父の声は改まってしんみりとひとりごとのようになった...
有島武郎 「親子」
...齷齪(あくせく)と糧(かて)を爭ふ十萬の市民の...
石川啄木 「漂泊」
...弁護士3・27米国の大統領リンカンがまだ田舎弁護士で齷齪(あくせく)してゐた頃...
薄田泣菫 「茶話」
...いっそ初めから齷齪しない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...眼前の小利害にのみ齷齪(あくせく)せず...
寺田寅彦 「物理学の応用について」
...何ぞ必らずしも区々常規の中に齷齪(あくさく)するのみならんや」...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...これを要するに諸人才器齷齪(あくさく)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そして齷齪(あくせく)と生活してる人々の悪口を言いながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...独創的たらんと齷齪(あくせく)するのは凡庸(ぼんよう)なるがゆえである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どうせ終りは死だから齷齪するだけ馬鹿げてる...
豊島与志雄 「生活について」
...くいしばった歯と齷齪した生活と疲れながら陰欝に光ってきた眼だけが残っている...
豊島与志雄 「微笑」
...齷齪とした人事に濁り汚れた頭を...
豊島与志雄 「道連」
...明治の四十年を長いと云うものは明治のなかに齷齪(あくせく)しているものの云う事である...
夏目漱石 「野分」
...かく考えると齷齪(あくせく)として...
新渡戸稲造 「自警録」
...小遣(こづか)い銭のために齷齪(あくせく)と針をはこばなくてはならなかったことを想像すると...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...かうした余計なことに齷齪しなくなるだらう! ところで悪魔までが矢張りさうした見やう見真似に憂身をやつしてをる処を見るのは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それでも會社で機械のやうに齷齪働いて居るよりはましだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...始終何物かに策(むち)うたれ駆られてゐるやうに学問といふことに齷齪(あくせく)してゐる...
森鴎外 「妄想」
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