...「俺(わ)しがこうして齷齪(あくせく)とこの年になるまで苦労しているのもおかしなことだが……」父の声は改まってしんみりとひとりごとのようになった...
有島武郎 「親子」
...また今にして早くそを知らむとする程小成の満足に齷齪(あくせく)たるものに非ざる也...
石川啄木 「閑天地」
...齷齪(あくせく)と糧を争ふ十万の市民の...
石川啄木 「漂泊」
...朝暮(てうぼ)の營(いとな)みに齷齪(あくさく)たるもの...
泉鏡花 「花間文字」
...家庭の事にのみ齷齪(あくせく)として...
大隈重信 「夫婦共稼ぎと女子の学問」
...弁護士3・27米国の大統領リンカンがまだ田舎弁護士で齷齪(あくせく)してゐた頃...
薄田泣菫 「茶話」
...眼前の小利害にのみ齷齪(あくせく)せず...
寺田寅彦 「物理学の応用について」
...何ぞ必らずしも区々常規の中に齷齪(あくさく)するのみならんや」...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...都会の人波の中に溺れながら齷齪してる...
豊島与志雄 「悪夢」
...むりに齷齪することはない...
豊島与志雄 「死ね!」
...そして齷齪(あくせく)と生活してる人々の悪口を言いながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あるいはまた成功して虚栄の念に齷齪(あくせく)するよりも...
永井荷風 「ひかげの花」
...眼前の利にのみ齷齪(あくせく)して世界に二つとない自国の宝の値踏(ねぶみ)をする暇(いとま)さえないとは...
永井荷風 「日和下駄」
...拘々(くく)として随処に齷齪(あくそく)たらしむるにある...
夏目漱石 「草枕」
...沢庵(たくあん)の尻尾(しっぽ)を噛(かじ)って日夜齷齪(あくせく)するにもかかわらず...
夏目漱石 「マードック先生の『日本歴史』」
...齷齪(あくせく)勉強すると云うことでは決して真の勉強は出来ないだろうと思う...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...年中(ねんぢゆう)齷齪(あくせく)してゐる………それも立派な作品でも出來ればだが...
三島霜川 「平民の娘」
...始終何物かに策(むち)うたれ駆られてゐるやうに学問といふことに齷齪(あくせく)してゐる...
森鴎外 「妄想」
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