...そして始終齷齪(あくせく)しながら何一つ自分を「満足」に近づけるような仕事をしていなかった...
有島武郎 「小さき者へ」
...朝暮(てうぼ)の營(いとな)みに齷齪(あくさく)たるもの...
泉鏡花 「花間文字」
...こんなところに齷齪して...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...いっそ初めから齷齪しない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...わたしはそれ以来ずっとテルソン商社の他(ほか)の事務にばかり齷齪(あくせく)していたのです...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...都会の人波の中に溺れながら齷齪してる...
豊島与志雄 「悪夢」
...それほど齷齪(あくせく)するにも及ぶまいじゃないか……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どうせ終りは死だから齷齪するだけ馬鹿げてる...
豊島与志雄 「生活について」
...眼前の利にのみ齷齪(あくせく)して世界に二つとない自国の宝の値踏(ねぶみ)をする暇(いとま)さえないとは...
永井荷風 「日和下駄」
...我々は落付いた眼に笑を湛(たた)えて又齷齪(あくせく)と先へ進む事が出来ます...
「岡本一平著並画『探訪画趣』序」
...齷齪(あくせく)とこせつく必要なく鷹揚自若(おうようじじゃく)と衆人環視の裡(うち)に立って世に処する事の出来るのは全く祖先が骨を折って置いてくれた結果といわなければならない...
夏目漱石 「『東洋美術図譜』」
...齷齪(あくそく)たる塵事(じんじ)を超越するんだ」「あんまり超越し過ぎるとあとで世の中が...
夏目漱石 「二百十日」
...かく考えると齷齪(あくせく)として...
新渡戸稲造 「自警録」
...齷齪(あくせく)勉強すると云うことでは決して真の勉強は出来ないだろうと思う...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...裁縫やら子供の世話やらに齷齪(あくせく)することとなりたるぞ...
福田英子 「妾の半生涯」
...親の命令(いひつけ)通りに結婚して臺所にばかり齷齪(あくそく)してゐる自分はあまり幸福(しあはせ)ではなさゝうだつた...
正宗白鳥 「孫だち」
...始終何物かに策(むち)うたれ駆られてゐるやうに学問といふことに齷齪(あくせく)してゐる...
森鴎外 「妄想」
...自分等の母の為した如く終日台所に齷齪(あくせく)として居る事は自分等に取つて苦痛であるけれども...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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