...砂馬は大きな鼻翼をふくらませて...
高見順 「いやな感じ」
...「小面」のやうな美女の面でさへその鼻翼は実際よりも大である...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...」煙草を指先にはさんだままてのひらで両の鼻翼の油をゆっくり拭(ぬぐ)った...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...頭は丸刈りにして、鬚(ひげ)も無いが、でも狭い額には深い皺(しわ)が三本も、くっきり刻まれて在り、鼻翼の両側にも、皺が重くたるんで、黒い陰影を作っている...
太宰治 「乞食学生」
...鼻翼の油を手のひらで拭いとりながら...
太宰治 「新樹の言葉」
...指先を軽く相手の唇と鼻翼に触れていれば人の談話を了解する事が出来る...
寺田寅彦 「鸚鵡のイズム」
...鼻翼(びよく)の張った...
中島敦 「虎狩」
...鼻翼(こばな)の所はおしろいが剥落ちてゐて...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...鼻翼(こばな)をふくらませて...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...はちきれるばかりに鼻翼(こばな)を膨らませ...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...鼻翼を一刹那ぴくっと開いた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...鼻翼から脣へかけて濃い線をひいて...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...女の方では更らにその鼻翼の線を深めるほど...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...悲しげな鼻翼の線を深めるばかりであった...
室生犀星 「幻影の都市」
...鼻翼の脇に、紫色の斑点があらわれ、呼吸はさらに早く、小刻みになった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...――そのハムはだめかね」ばんくんの大きな鼻翼がひろがり...
山本周五郎 「季節のない街」
...いよいよ活躍してもらう時期が来るだろうと思うね」ばんくんの鼻翼がちぢまり...
山本周五郎 「季節のない街」
...厚い鼻翼をぴこぴこ慄(ふる)わせて嘲弄した...
横光利一 「上海」
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