...鼻筋の通ったのが...
泉鏡花 「悪獣篇」
...この後を、道の小半町(こはんちょう)、嬉しそうに、おかしそうに、視(なが)め視め、片頬笑みをしながら跟(つ)いて歩行(ある)いたのは、糊のきいた白地の浴衣(ゆかた)に、絞りの兵児(へこ)帯無雑作にぐるりと捲いた、耳許(みみもと)の青澄んで見えるまで、頭髪(かみのけ)の艶のいい、鼻筋の通った、色の浅黒い、三十四五の、すっきりとした男で...
泉鏡花 「浮舟」
...鼻筋の通った顔で...
泉鏡花 「婦系図」
...「その母様(おっかさん)と云うのは、四十余りの、あの、若造りで、ちょいとお化粧なんぞして、細面(ほそおもて)の、鼻筋の通った、何だか権式の高い、違って?」「まったく...
泉鏡花 「婦系図」
...しかも上品に衣紋(えもん)正しく、黒八丈(くろはち)の襟を合わせて、色の浅黒い、鼻筋の通った、目に恐ろしく威のある、品のある、[#「、」は底本では「...
泉鏡花 「婦系図」
...婦人は、しきりに、その独語に巧妙な同胞の、鼻筋の通った、細表の、色の浅黒い、眉のやや迫った男の、少々(わかわか)しい口許(くちもと)と、心の透通るような眼光(まなざし)を見て、ともすれば我を忘れるばかりになるので、小児(こども)は手が空いたが、もう腹は出来たり、退屈らしく皿の中へ、指でくるくると環(わ)を描(か)いた...
泉鏡花 「婦系図」
...鼻筋の通った顔を...
泉鏡花 「婦系図」
...眉の濃い鼻筋の通った良い顔だ...
梅崎春生 「蜆」
...と云うのは、女学校の制服を着て、おしろい気のない顔をしているけれども、その輪郭は既に少女型でなく、面長の、鼻筋の通った、引き締まった成人型なのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もしその顔のまん中に鼻筋の通った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...面長(おもなが)の色白で、鼻筋の通った、口元の優しい男である...
徳田秋声 「新世帯」
...鼻筋の通った痩せぎすな顔に品があり...
徳田秋声 「仮装人物」
...暗い中に鼻筋の通ったプロフィルだけが...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...兄は色の白い鼻筋の通った美くしい男であった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...色の浅黒い鼻筋の通った立派な男で...
夏目漱石 「行人」
...可愛らしいでしょう」「黙っていろ」鼻筋の通った...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...甲府じゃこんな鼻筋の通った女に...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...目の涼しい鼻筋の通った色の浅黒いあだっぽい顔立ちの美しい大年増の横顔を...
正岡容 「寄席」
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