...惡靈共が襲ひ入りませぬやぅぅ、妖精や鼬鼠、鼠、狸などの入りませぬやぅぅ、夕の鐘の鳴る時から翌朝までお守り下さい...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...鼬(いたち)の最後ツ屁と云ふのも恐らくこんな臭さであらうが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...稀(まれ)に鼬(いたち)に吸われた鶏(とり)でも食えば骨(ほね)までたゝいて食い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...道を横切った鼬に化かされたのか...
豊島与志雄 「早春」
...鼬の町井さんも、梅の花も、支那水仙も、雑煮(ぞうに)も、――あらゆる尋常の景趣はことごとく消えたのに、ただ当時の自分と今の自分との対照だけがはっきりと残るためだろうか...
夏目漱石 「思い出す事など」
...――駒次郎は鎌鼬(かまいたち)にやられて死んだんだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼠も鼬ももぐれるほどの穴もない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...つい先頃鼬の奴にねらはれてあらかた生血を吸はれてしまつた上に...
牧野信一 「心象風景」
...手綱を引き絞めて一気に鼬谷へと降り...
牧野信一 「剥製」
...この頃では鼬の方で空砲を承知して殆ど役にたゝなかつたから...
牧野信一 「舞踏会余話」
...獺(をそ)の住む水も田に引く早苗かな獺を打し翁も誘ふ田植かな河童の恋する宿や夏の月蝮(くちばみ)の鼾(いびき)も合歓(ねむ)の葉陰かな麦秋や鼬(いたち)啼(な)くなる長(をさ)がもと黄昏(たそがれ)や萩に鼬(いたち)の高台寺むさゝびの小鳥喰(は)み居(を)る枯野かなこのほか犬鼠などの句多し...
正岡子規 「俳人蕪村」
...「えい! 何たる苦しみの鼬ごっこだ!」何度操返しても...
松永延造 「職工と微笑」
...これに鼬(いたち)の心臓を合せて犬に餌えばその犬すなわち極めて猛勢となって殺されても人に順(したが)わずと見ゆるがそんなものを拵(こしら)えて何の役に立つのかしら(コラン・ドー・ブランチー『妖怪事彙(ジクショネール・アンフェルナル)』第四版二八三頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...獺か鼬の笑っている声が聞えるということである...
山本周五郎 「青べか物語」
...鼬(いたち)のような野郎だ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...鼬(いたち)のように振向いて...
吉川英治 「大岡越前」
...四番目と五番目の鼬(いたち)と丹三郎が...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...鼬(いたち)のように逃げだすのを見つけた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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