...天眞とも離れ過去の渾然たる文明とも離れた吾人の世界は「新生の歌」が響くには餘りに黴臭い...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...最も黴臭い部分に過ぎない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...――うす暗い闇に黴臭い香氣が...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...掘りかえされた墓土の黴臭い呼吸と...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その都度樹木に特有な冷えびえとした黴臭い生薬(きぐすり)のやうな匂が...
薄田泣菫 「独楽園」
...馬車の黴臭い内部は...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...黴臭い匂いをしている...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...黴臭い匂ひを暗示する...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...湿気を帯びた黴臭い室の空気の中に...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...黴臭い床下の地面が茫と横たわってるきりで...
豊島与志雄 「白血球」
...黴臭い厭な匂いがした...
豊島与志雄 「反抗」
...先刻の黴臭い匂いが鼻についていた...
豊島与志雄 「反抗」
...其の黴臭い・いやなにおいのする塀――過去の...
中島敦 「光と風と夢」
...黴臭い湿った空気がどんよりと淀んでいて...
久生十蘭 「魔都」
...黴臭い書庫の中にはひつたきり...
堀辰雄 「聖家族」
...あばら屋の中で黴臭い紅茶をすすめながら...
夢野久作 「怪青年モセイ」
...この黴臭い匂いと樟脳に似た木の香(か)が弥勒様の木像の中で滲(し)み込んだものである事は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...雨気の籠つた黴臭い家の中へ日の光を導き入れると...
吉江喬松 「五月雨」
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