...――うす暗い闇に黴臭い香氣が...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...それと云ふのも鍵屋でさへだゝつ広く黴臭い自分の家を持てあましてゐたからである...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...あの黴臭い古事務所や...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...取散らした包紙の黴臭(かびくさ)いのは奥の間の縁へほうり出して一ぺん掃除をする...
寺田寅彦 「祭」
...修学証書や辞令書のようなものの束ねたのを投げ出すと黴臭(かびくさ)い塵が小さな渦を巻いて立ち昇った...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...「ちつたあ黴臭(かびくさ)くなつたやうだが...
長塚節 「土」
...一種古ぼけた黴臭(かびくさ)いにおいが上る...
夏目漱石 「虞美人草」
...黴臭(かびくさ)く淀んだ大納戸の空氣は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その帳場の黴臭さすら...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...さながら狂乱の有様で黴臭い古書箱をひっかき廻していたが...
久生十蘭 「魔都」
...黴臭い湿った空気がどんよりと淀んでいて...
久生十蘭 「魔都」
...ギリシャ語の黴臭(かびくさ)い本の中で研究して...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...黴臭(かびくさ)い書庫の中にはいったきり...
堀辰雄 「聖家族」
...黴臭い書庫の中にはひつたきり...
堀辰雄 「聖家族」
...あばら屋の中で黴臭い紅茶をすすめながら...
夢野久作 「怪青年モセイ」
...黴臭(かびくさ)いような...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...黴臭(かびくさ)いにおいと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...この黴臭い匂いと樟脳に似た木の香(か)が弥勒様の木像の中で滲(し)み込んだものである事は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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