...「貞(さあ)ちゃん」とうとう黙っているのが無気味(ぶきみ)になって葉子は沈黙を破りたいばかりにこう呼んでみた...
有島武郎 「或る女」
...刑事部長はもう黙っていられなくなった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...発火の原因に就いても調べるんでしたね」係長は黙って頷くと...
大阪圭吉 「坑鬼」
...私はただそういったまままた黙り込んでしまった...
近松秋江 「うつり香」
...音なく声なき雪の緘黙(しじま)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...わたしは黙ってその話を聞いた...
豊島与志雄 「牛乳と馬」
...暗黙の習慣から、二人はたがいに知らないふうをした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女も黙っている...
豊島与志雄 「白木蓮」
...黙って真直に歩いていた...
豊島与志雄 「裸木」
...「掏(す)り替(か)えちゃいけないぜ」「まあ黙って...
夏目漱石 「虞美人草」
...そんなことを言うと与次郎に笑われると思って三四郎は黙っていた...
夏目漱石 「三四郎」
...黙々として運んで行くのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...父は沈黙(だま)って五十銭銀貨を二枚出すと...
林芙美子 「新版 放浪記」
...黙っておれというに」顎十郎は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...」佐藤は黙って聴診してしまって...
森鴎外 「カズイスチカ」
...定雄は注意もせずに黙って僧侶の出て来る方を眺めていると...
横光利一 「比叡」
...勘蔵は、黙って、庭向きに腰かけたまま、眼ばやく、読みくだしていたが、はッと、顔いろも変え、声も落して、「お次さん...
吉川英治 「大岡越前」
...日吉は首をすくめて黙ってしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
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