...甲田は默つてゐた...
石川啄木 「葉書」
...「貴さまなどの出しや張る幕ぢやアない!」今まで默つて押さへてゐた心中のもや/\が一時に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠は默つてしまつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして他の幾百萬の人は何かもつといゝことが起るといふ望みの下に默つてやらしてゐなければ駄目だ...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...ハヾトフは其間(そのあひだ)何故(なにゆゑ)か默(もく)した儘(まゝ)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...自分は妻を顧みて身顫ひをして「仕事がしたい」と叫んだ妻は疲れた顏をして默つて自分を見上げた然うして二人は庭の垣に添つた道を通り過ぎた...
千家元麿 「自分は見た」
...それに心臟が非常に弱つてゐるから餘程氣を附けないと」「それでは昨夜から腹が痛むといふのは腹膜炎の爲めですか」「さうです」と言つたきり醫者は後は默つて煙草を吹かした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...召類篇には史黯を史默に作つてあるが...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...鼻の反つた片目の相の惡い車夫であつたが下館の入口で默つて下してしまつた...
長塚節 「十日間」
...「海豚と毒藥とは違やしませんか、――子供にだけ中る毒てえのはあるでせうか」ガラツ八が囁くのを押へて、「默つて居ろ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眞つ蒼になつて顫(ふる)へて居るやうですが」「お勝手か」「え」平次は默つて立ち上がると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...默つてゐた私が惡かつたと思ひます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...吹(ふ)く風(かぜ)を背(せ)にして柱(はしら)の際(きは)に默然(もくねん)として居(ゐ)る父(ちゝ)に向(むか)ひ...
樋口一葉 「うつせみ」
...死んでしまひさうです……もしも……」「お默り...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...默(だま)つて私を凝視(みつ)めてゐたが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...」沈默が後に續いた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...何時までたつても默つているんです...
三好十郎 「肌の匂い」
...やがて默つて以前坐つてゐた場所に座をとつた...
若山牧水 「姉妹」
便利!手書き漢字入力検索