...」(長(なが)き沈默(ちんもく))妻(つま)の罪(つみ)はそれだけではない...
芥川龍之介 「藪の中」
...臨終の恐ろしい沈默が天と海とを領した...
有島武郎 「潮霧」
...三藏はまだ默つてゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...それより君小説は出來ましたか」「小説ですか」といつて水月は暫く默つてゐたが...
高濱虚子 「俳諧師」
...船と岸とで默つて向合つて居る淋しい姿を見比べた時に...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...然し季子は自分に話しかけたのではないと思つて、默つてゐると、「京成の市川驛へはどつちへ行つたらいゝんでせう...
永井荷風 「或夜」
...部屋の中にはひよいと沈默が續いた...
南部修太郎 「霧の夜に」
...眼玉を狙つて三寸も打ち込むわけには行くまい」「――」ガラツ八は默つて了ひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お前は默つて居ろ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして若黨友吉は一期半期の奉公人だが若樣が死んださびしさに默つて故郷の佐倉へ歸つたのだ」「――」「俺は町方の岡つ引さ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ゴタゴタして洗濯物を片付ける隙もなかつたんです」「――」平次は默つて先を促(うなが)します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ことに伜の權次は良い腕ですよ」平次は默つて八五郎に限配(めくば)せすると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「それをお前は吉三郎に手渡したのだな」「――」お夏はまた默つてうなづきます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...聖人よ どうして道を語らないか?あなたは默し さうして桃や李やの咲いてる夢幻の郷(さと)でことばの解き得ぬ認識の玄義を追ふか...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...謹て默して之を輕重する勿れとて...
福沢諭吉 「帝室論」
...「何に?」彼が默つてゐるのに母はさう云つて彼の方を振り向いた...
横光利一 「悲しみの代價」
...どちらもただ默つてゐる...
横光利一 「書翰」
...するとまた暫く沈默がつゞいた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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