...沈默の中に、遙かに深く遙かに大きい人生を經驗してゐる人が幾人もある事を思へば、俺は俺自身の事を表現するのが恥かしくて堪らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...默つて自分の室に居れば可いぢやないか...
石川啄木 「病院の窓」
...何(いつ)も默(だま)れとか...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...その事は默つて歸した...
竹久夢二 「砂がき」
...されど強ゆるをせずと曰ふ』しか報ずれば衆軍は默然として鳴靜め...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...五人が五人ともぢつと沈默したまま...
南部修太郎 「S中尉の話」
...其處に何秒間かの沈默が來た...
南部修太郎 「疑惑」
...默つて私をやつて下さい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...默つて死罪になる氣でゐた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...板敷の縁側に默つて一刻も坐つて居ようと言つた人柄です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...萬一の時はあの人が頼みになりさうだ――つてね」それを聽きながら平次は默つて考へ込んでしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「狩屋さんと伊場さんはそれを默つて見て居たのですか」平次の問は相手の思ひも及ばぬ隙に突つ込みます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...實(ほん)に馬鹿々々(ばか/\)しいとつては夫(そ)れほどの事(こと)を今日(けふ)が日(ひ)まで默(だま)つて居(ゐ)るといふ事(こと)が有(あ)ります物(もの)か...
樋口一葉 「十三夜」
...そして私は沈默と眞暗闇(まつくらやみ)の中で寢入つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そこの沈默と靜けさの中に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お里は夫が默つて外套の袖の下から半襟を投げ出しはしないか知らと思つた...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...門には鐵の鋲を打つた大きな扉が夜でも重く默つて開いてゐた...
横光利一 「草の中」
...顏を合はせたまゝ默つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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