...默つてゐた馨は、床の間の位牌の前の蝋燭が燃え盡したのを見て、新らしいのに換へた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...大野さんのところなどへちツとも行きたかアありません!」「默れ!」義雄は妻の言葉を制してから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...自分よりもずツと年下の代理主權者の遠慮勝ちな注意と命令とに默つて從つてゐる筈がない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...青年は默つて立つて居た...
千家元麿 「自分は見た」
...押し默らせようとしているところであった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...三人(にん)の耳(みゝ)は同(おな)じく誘(さそ)はれた樣(やう)に一種(しゆ)の調子(てうし)を持(も)つた隣(となり)の庭(には)の響(ひゞき)に耳(みゝ)を傾(かたむ)けつゝ沈默(ちんもく)の時間(じかん)を繼續(けいぞく)した...
長塚節 「土」
...木像のやうに默りこくつて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土藏は頑固に扉を閉したまゝ沈默して居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...默つて踏臺と睨めつこをして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「――」默つてお辭儀をするのへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「――」默つて二人を迎へた金之助の眼は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」と誰一人遮(さへぎ)るものゝない沈默の後に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私は沈默によつてそれを白状した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...會つてもつい默り勝ちで...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...夜舟で寢ることは、罪人にも許されてゐるのに、喜助は横にならうともせず、雲の濃淡に從つて、光の増したり減じたりする月を仰いで、默つてゐる...
森林太郎 「高瀬舟」
...奧さんは突然緘默を破つて...
森鴎外 「半日」
...彼は默つて妻の家から逃げ出した...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...今まで私と同じくただ默つて聞いてゐた老人まで極めて眞面目な顏をして斯ういふ事を言ひ出した...
若山牧水 「熊野奈智山」
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