...お前はてつきりあの黒奴のいい人に己達の首をしめさせようと云ふのだらう』盗人の頭が大きな声でかう云つた...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...それに黒奴(くろんぼ)が大勢遊んでいるようなものを拵(こしら)える...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...黒奴が珊瑚の枝に乗って喇叭(らっぱ)を吹いているとか...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...奴隷には黒奴もあれば白人もあり...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...例の黒奴(くろんぼ)のキューピッドたちの病院患者行列の方へ心配そうな眼をちらりと向けた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...一軍を率いる帝王に似ていたり一群の黒奴の並列に似ていたりする音階を覚えると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あるいは各黒奴は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...――墓のなかに蓮の花をうえる僕は一輪の薔薇を植ゑる黒奴のやうにまつくらい体のなかにああ 燐色の顔をうゑる...
仲村渠 「あなたの顔」
...黒奴の船中生活を叙したものとしては...
夏目漱石 「コンラッドの描きたる自然について」
...先王の身代りとなりて忠死せし黒奴(こくど)の肖像画が唯(ただ)一個掲げあり...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...所在なき折々はその黒奴の肖像を熟視しおられしが...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...女はおれを黒奴の下部(ギヤルソン)あつかひにして居るのかも知れない...
與謝野寛 「素描」
...其(その)綱の一端を隣室から少年の黒奴(こくど)が断えず引いて涼を起すのは贅沢(ぜいたく)な仕掛である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...わが船が着くや否や集まつて来た石炭船(ぶね)から幾百の黒奴(くろんぼ)が歯まで黒く成つて現(あら)はれ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...かねて南蛮から援軍に借りうけておいた赤髪黒奴(せきはつこくど)の蛮夷隊(ばんいたい)もまじっていた...
吉川英治 「三国志」
...あの黒奴(こくど)か」「そうですよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...われ鐘のような濁った声が彼女に黒奴(ニグロ)のようなジャマン・チーズの腐った臭のする厚い唇を思い出させた...
吉行エイスケ 「女百貨店」
...私は午後九時頃に及んで荷揚場から黒奴に案内されてデッキに昇っていった...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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