...黒釉薬(くろうわぐすり)の茶わんは黒塗りの茶入れとともに用いてはならぬ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...それは火箸と黒塗りのブリキ製の刷毛箱だった...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...要領よく黒塗りの枠の下から迫(せ)り上って夫人の前に平伏することが出来た...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...今で言えばスーツケースのような格好をした黒塗りの革鞄(かわかばん)に...
寺田寅彦 「物売りの声」
...春雨のふる街(まち)を黒塗りの高下駄(たかげた)を穿(は)いて...
徳田秋声 「仮装人物」
...自動車の黒塗りの箱が...
豊島与志雄 「常識」
...長火鉢の磨きすました銅壺、黒塗りの餉台、茶箪笥の桑の木目、鏡懸けの友禅模様、違い棚の真中にある大きな振袖人形、縁起棚の真鍮の器具……そうした室の中に、みさちゃんと呼ばれた小女は、行儀よくまめまめしく立働きました...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...黒塗りの厨子が安置されていた...
豊島与志雄 「非情の愛」
...黒塗りの茶托を手にうけて橋をわたるとき南天の実をくひにきたひよ鳥があわただしくたつて茶をこぼさせたこともあつた...
中勘助 「銀の匙」
...黒塗りの窓のある住居蔵があって...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...黒塗りの飯びつにぎつしりと御飯が詰めこまれてゐる...
林芙美子 「屋久島紀行」
...お神さんに何とでも訴(いッつ)けておくれ」白字(はくじ)で小万(こまん)と書いた黒塗りの札を掛けてある室の前に吉里は歩(あし)を止めた...
広津柳浪 「今戸心中」
...黒塗りの上等な馬車でした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...定紋のついた、脚の高い、黒塗りの、四角な小さな膳だつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...黒塗り紋附きの挟み箱が往来においてある...
正岡容 「巣鴨菊」
...二月堂の机(黒塗りでふちに赤い細い線の入っているの)の上に青くちらついて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その翌日は虚無僧と同じい黒塗りの下駄をひっかけた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...赤毛氈(もうせん)の上に黒塗り扇形の矢函へ玩具のような弓と矢が七...
山本笑月 「明治世相百話」
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