...黒々とした枝の上に緑の点を打って...
岩本素白 「寺町」
...豊に黒々と光っているので...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...黒々とした文字さえ現われて来た...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...炭塵に黒々とまみれた素ッ裸の男が...
大阪圭吉 「坑鬼」
...――黒々と湿った土の上に...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...黒の紋附羽織に頭髪(かみ)黒々と気取つた時代で...
田山録弥 「田舎からの手紙」
......
中原中也 「在りし日の歌」
...蓮華岳、燕岳、槍岳の連峰は、黒々とそびえ、かすかに見える燕岳の麓には、『千種』の洞窟が、ぽっかりと口をあけている...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...黒々とそびえ立つ槍岳をあおいだ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...黒々とした山毛欅(ぶな)に取圍まれたホテルで...
堀辰雄 「顏」
...黒々とあごひげを生やした山男は礼服と山高帽をかぶっており...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...思わず唾(つば)を嚥み込んだ……真黒々(まっくろぐろ)になるほど浸(し)み流れた墨汁の中に「花房ツヤ子之墓」と書いた拙(まず)い楷書が威張っている...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...いの一番に飛び出したのは真(ま)っ黒々(くろくろ)の唐金(からかね)のお釈迦様でした...
夢野久作 「雪の塔」
...黒々と沈んでいた...
横光利一 「上海」
...「……あ?」と、そのうちに驚いたのは、それを簾(す)の外から見ていた桃井直常の方で、彼女自身は手の墨筆で、いきなりその地蔵菩薩の像を、綾十文字(あやじゅうもんじ)に、黒々と、なすりつぶしていたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...黒々とくずれた武者たちの上に...
吉川英治 「新書太閤記」
...全軍は黒々と布陣の位置に別れ出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...黒々とそこから満身にながれて...
吉川英治 「夕顔の門」
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