...山には、黒々とした森が、空にむかって、まっすぐつき立っていました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「旅の仲間」
...筋骨逞(たく)ましい大兵(だいひょう)肥満の黒々(くろぐろ)した巨漢と振袖然(ふりそでぜん)たる長い羽織を着た薄化粧したような美少年と連れ立って行くさまは弁慶と牛若といおう乎(か)...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...入学証書と云ったような幅一尺五寸長(たけ)二尺ほどの紙に大きな活字で皇帝や総長の名を黒々と印刷したものを貰ったが文句はラテン語で何の事か分らない...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...見ると友人は黒々とした憂鬱の餌食になっている...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「ライギット・パズル」
...黒々とした山影とすれすれに...
中島敦 「李陵」
...黒々とした桑の樹の瘤(こぶ)や...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...半紙に墨黒々と朝妻船(あさづまぶね)とかいて貼(は)り出してあるから...
夏目漱石 「野分」
...空井戸の口は黒々と見えて居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...松が黒々と茂つてゐて...
原民喜 「小さな村」
...黒々と荒れる外海(そとうみ)に向かって...
火野葦平 「花と龍」
...黒々と夜空を塗つぶしてしまはず...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...黒々と沈んでいた...
横光利一 「上海」
...こう墨黒々と書き残して行った不敵な文字を...
吉川英治 「江戸三国志」
...峰が黒々と肌を露(あら)わす...
吉川英治 「大谷刑部」
...そして山科から京方面へ黒々と足利兵の逃げなだれが続くばかりで...
吉川英治 「私本太平記」
...黒々と前面の山を越えて行った...
吉川英治 「源頼朝」
...黒々と重なって動くのが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...黒々と暮れた青葉の奥を見上げていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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