...彼は昔から黄表紙に夢中だった...
...最近はあまり黄表紙を読まなくなった...
...黄表紙の内容に興味がない...
...古本屋で黄表紙を見つけた...
...黄表紙を読んでいると時が経つのが忘れられる...
...精々(せいぜい)が黄表紙(きびょうし)並に扱われる位なもんだろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...その頃はもう黄表紙(きびょうし)時代と変って同じ戯作(げさく)の筆を執っていても自作に漢文の序文を書き漢詩の像讃をした見識であったから...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...私は日本の小説こそ京伝の洒落本(しゃれぼん)や黄表紙...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...課長が黄表紙のパンフレットを紙包から別にはなして...
海野十三 「四次元漂流」
...あなたは黄表紙の作者でもあれば...
太宰治 「虚構の春」
...そして昔の経書や黄表紙がちょんまげや裃(かみしも)に調和しているように今の日本人にはやはりこれがふさわしいような気がする...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...これは寛政(かんせい)御改革のみぎり山東庵京伝(さんとうあんきょうでん)が黄表紙御法度(きびょうしごはっと)の御触(おふれ)を破ったため五十日の手鎖(てぐさり)...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...俳書浄瑠璃本黄表紙洒落本なぞに明きは下谷御徒町の吉田なるべし...
永井荷風 「古本評判記」
...その書物というのは、白雲の求むるところのものとは違って、旧来ありきたりの赤本、黒本、金平本(きんぴらぼん)、黄表紙、洒落本(しゃれぼん)、草双紙、合巻物(ごうかんもの)、読本(よみほん)といった種類のものをこみで一手に集めて来たものらしいから、白雲は、「こりゃ大変だ」といって手に触れず、「洋学の本はないかね、横文字の……」「へえ、洋学の方でございますか、左様でございます、華英通語はこのあいだ差上げましたかしら……」「うむ、あれは貰ったよ」「では、築城と石炭のことを書いた翻訳書が二三冊ございますが……」「築城と石炭――それは少し困る、何かほかに向うの歴史、風俗、絵のことなどがわかるといったような書物はないかい」「左様――」亭主はあれかこれかと店と書棚を見廻し、「ここに一冊、唐人往来というのがございます……」「何だい、それは――」「この通り写本でございますが、これになかなか、あちらのことが詳しく書いてあって面白いと皆様がおっしゃいます」「どれ――」田山白雲は二十枚綴ばかりの写本を、亭主の手から受取りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...レオパルジの隣にあった黄表紙(きびょうし)の日記を持って煖炉の前まで戻って来た...
夏目漱石 「虞美人草」
...といふのは、智慧も辯舌(べんぜつ)も人並以上にできてをり、顏立もそんなに醜(みにく)くはありませんが、生れながらの頑固(かたくな)で、酒も呑まず煙草も喫(す)はず、女遊びは言ふまでもなく、物見遊山にも行つたことのないといふ變り者で、朝から晩まで一と間にこもつて、古聖賢(こせいけん)の有難い經書史書から、黄表紙、好色本、小唄、淨瑠璃(じやうるり)本までを渉(あさ)りつくし、智慧と理窟が内訌(ないこう)して、滅多に俗人とは口もきかないといふ恐ろしい偏屈(へんくつ)人になつてしまつてゐるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手もなく黄表紙の筋だ」「それなんですよ親分...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その時にも青本が行われたのを三馬がいま黄表紙に仕立てたものである...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...無益委記は恋川春町が黄表紙「楠無益委記(くすのきむだいき)」で...
正岡容 「大正東京錦絵」
...黄表紙(きびょうし)の類(るい)であった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...とくに黄表紙や人情本は題名と作者名を変えて...
山本周五郎 「へちまの木」
...大化の革新、源平の争、応仁の乱の例を引く迄もなく、封建制度が生んだ徳川末期の民心の堕落、唯物思想、虚無思想が生んだ、芝居のトリック化、黄表紙文学、あぶな絵、無残絵等によって象徴された趣味傾向の堕落と、それによって暗示された民心の行き詰まりが、新しい忠君愛国思想と、社会組織を翹望(ぎょうぼう)する維新の革命を生んだ事実は、誰しも否定し得ないところであろう...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...黄表紙(きびょうし)ものの戯作(げさく)などを書いていた...
吉川英治 「松のや露八」
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