...もう一人はやや黄ばみかけた...
芥川龍之介 「馬の脚」
...葉の黄ばみそむる事...
芥川龍之介 「雑筆」
...私は黄ばみかかった落葉樹の下で...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...または厚い上唇の上の黄ばみた髭を引張てみたりして――ヤどうも見ていられぬほどに様子を売る男であッた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭(はげいとう)の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面(たのも)を見渡す...
寺田寅彦 「東上記」
...森もやや黄ばみかけて...
徳田秋声 「足迹」
...葉の黄ばみかかった桜や銀杏(いちょう)の梢(こずえ)ごしに見える...
徳田秋声 「あらくれ」
...青々とした其葉が黄ばみ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...黄ばみ紅(あか)らめる桜の落ち葉点々としてこれをめぐり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...然し日は一日一日と過ぎて行つて、或日驟雨(ゆふだち)が晴れそこなつたまゝ、夜になつても降りつゞくやうな事でもあると、今まで逞しく立ちそびえてゐた向日葵(ひまわり)の下葉が、忽ち黄ばみ、いかにも重さうな其花が俯向いてしまつたまゝ、起き直らうともしない...
永井荷風 「蟲の聲」
...はや水霜に黄ばみ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...いま日中を通行する黝鐵の凄く油ぎつた巨重の逞ましい機械をみよこの兇逞な機械の踏み行くところどこでも風景は褪色し空氣は黄ばみ意志は重たく壓倒される...
萩原朔太郎 「青猫」
...山肌はいよいよ黄ばみ...
堀辰雄 「初秋の淺間」
...黄ばみそめた銀杏の樹陰に隱れ見えしながら...
水野仙子 「道」
...黄ばみ始めた雑木にまじって...
水上滝太郎 「果樹」
...腋(わき)の下早や黄ばみたるを着たる人も...
森鴎外 「みちの記」
...黄ばみて濡(ぬ)れ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...櫨(はぜ)は黄ばみ...
吉川英治 「私本太平記」
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