...麦畑はようやく黄ばみかけてきた...
伊藤左千夫 「春の潮」
...紫色の丸顔はすでに変じてどんよりと黄ばみ...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...または厚い上唇の上の黄ばみた髭を引張てみたりして――ヤどうも見ていられぬほどに様子を売る男であッた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭(はげいとう)の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面(たのも)を見渡す...
寺田寅彦 「東上記」
...森もやや黄ばみかけて...
徳田秋声 「足迹」
...落葉木(らくようぼく)は皆裸(はだか)で松の緑(みどり)は黄ばみ杉の緑は鳶色(とびいろ)に焦(こ)げて居ようとも...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...黄ばみ紅(あか)らめる桜の落ち葉点々としてこれをめぐり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...暗緑の間にちらほら黄ばみを帯びた紅葉の色が見え初め...
永井壮吉 「冬日の窓」
...破れ黄ばみながらも墨色の變化せざる支那哲學の古書など...
永井荷風 「佛蘭西人の觀たる鴎外先生」
...秋窓風雨夕(しうさうふううのゆふべ)原作紅楼夢第四十五回いたましや秋の草花しをれ果てその葉もいまは黄ばみたり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...はや水霜に黄ばみ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その二つの寺は並びあっていて、一方は荒れはてた木造、一方は石造で、壁は黄ばみ、全体に汚点(しみ)と亀裂だらけになっている...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私達の目の前にもう半ば黄ばみかけた姿を見せ出した...
堀辰雄 「楡の家」
...もう葉の黄ばみだした柿の木の間から...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...葉の色さへ去年の黄ばみたるには似ず緑いと濃し...
正岡子規 「小園の記」
...落ちしのばらの芽はひかり樹液はしづにかはたれぬあゝこの夕つゝましくきみと祈らばよからんをきみきたらずばわが成さんこの園つひにむなしけん西天黄ばみにごれるに雲の黒闇の見もあへず...
宮沢賢治 「開墾」
...塗料の色はやや黄ばみ...
柳宗悦 「工藝の道」
...竹さへも秋に黄ばみぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??