...今は海底トンネルの入口があったり、工場があったりして、昔の面影はないが、私の子供の頃は農村漁村が散在して、麦味噌の名産地、したがってまたその味噌漬は朝の茶漬の食膳を賑わす妙品として馬関(バカン)(下関)人に愛好された...
青木正児 「九年母」
...その頃までは日本人しか使わない麦味噌の臭気(におい)がするとは……ハテ……面妖な……と思ったのが大金儲(おおがねもうけ)の緒(いとぐち)であったとは流石(さすが)にカンのいい千六も...
夢野久作 「名娼満月」
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