...お麁末(そまつ)ながら浴室(ゆどの)や女中部屋を建増した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...麁末之辨當申付候」といふところで大舞臺の幕切れといふ趣きであるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...お品(しな)は麁朶(そだ)を一燻(いとく)べ突(つ)つ込んだ...
長塚節 「土」
...麁末(そまつ)な棺臺(くわんだい)は少(すこ)し堆(うづたか)く成(な)つた土(つち)の上(うへ)に置(お)かれて...
長塚節 「土」
...其處(そこ)には此(これ)も褞袍(どてら)を被(はお)つた彼等(かれら)の伴侶(なかま)が圍爐裏(ゐろり)へ麁朶(そだ)を燻(く)べて暖(あたゝ)まりながら待(ま)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...麁朶(そだ)の焔(ほのほ)が手(て)ランプに光(ひかり)を添(そ)へて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...殊更(ことさら)に身(み)に沁(し)む寒(さむ)さに圍爐裏(ゐろり)には麁朶(そだ)の火(ひ)が焔(ほのほ)を立(た)てた...
長塚節 「土」
...圍爐裏(ゐろり)には麁朶(そだ)の一枝(えだ)も燻(く)べてなかつた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は殆(ほと)んど動(うご)かぬやうにして棄(す)てゝ置(お)けばすつと深(ふか)く沈(しづ)んで畢(しま)つたやうに冷(さ)めて行(ゆ)く火(ひ)へぽちり/\と麁朶(そだ)を足(た)して居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...麁朶の先がずる/\と道を引きずつて車輪を急劇に廻轉するのをゆるめる...
長塚節 「松蟲草」
...遂(つ)ひに麁想(そそう)をせぬやうに成(な)りぬ...
一葉女史 「大つごもり」
...かつその客観を写す処極めて麁鹵(そろ)にして精細ならず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...いはゆる俳画などといふ麁画(そが)に俳句の賛を書くのは...
正岡子規 「病牀六尺」
...下座と沙弥とは古飯と胡麻滓(ごまかす)を菜に合せて煮た麁食(そしょく)のみくれたので痩(や)せ弱ったという...
南方熊楠 「十二支考」
...これは円くて麁(あら)い疣(いぼ)を密生し...
南方熊楠 「十二支考」
...幾分か麁末(そまつ)なるところあるがごとし...
三宅花圃 「藪の鶯」
...「麁」は粗で、荒々しい相(すがた)である...
柳宗悦 「民藝四十年」
...「たとひ泥木塑像の麁悪(そあく)なりとも仏像を敬ふべし...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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