...ハムやタン、鹽豚の片半身、などが天井からぶら下り、轉串機(くしまはし)は爐邊に絶え間なく音を立て、柱時計は一隅に時を刻んでゐた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...酸化カリウム(K2O)(痕跡)及び鹽素を含有せり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...そこの鹽原郵便局で人間社宛ての原稿の書き留め郵便を出した...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...鹽山から富士連山の麓まで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...嘗つて鹽原温泉で見た...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...鹽原で死んだんじゃないので……」「恐らく...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...この船が壞(こわ)れましてから、鹽を燒き、その燒け殘つた木を取つて琴に作りましたところ、その音が七郷に聞えました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...唯未だ鹽原の紅葉を見ず...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...樂しく過し得た事を心の中で感謝しながら鹽釜驛に着くと...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...それで佐治君に就いて生徒は所謂鹽加減を見はじめた...
長塚節 「教師」
...お互(たげえ)にえゝ鹽梅(あんべえ)で疵(きず)もつかねえんだから...
長塚節 「土」
...「あの隙間は宜い鹽梅(あんばい)に出來てゐますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大坪流の權藤要之介といふ先生が馬の稽古をしてゐますが」「そいつは宜い鹽梅(あんべえ)だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「へツ、違げえねえ、こちとらは借金があつて、仕事があつて、情婦(いろ)があつて、喧嘩氣がある」「それから先を話せ」「増田屋金兵衞、二た抱へはたつぷりあらうといふ名物月見の松の下に縁臺を据(す)ゑさせ、松の葉蔭から、ユラ/\と昇る月を眺め乍ら、チビチビと呑んだり、鹽豆を噛つたり、下手な發句(ほつく)を考へたり」「鹽豆は變な好みだな」「しみつ垂れだから、一人で呑むんだつて、酒の肴の贅(ぜい)は言はない、――尤も一代に何千兩といふ身上を拵へる人間は、蟲のせゐで刺身(さしみ)や蒲鉾(かまぼこ)は自腹を切つちや食はないんですね」「――」「御存じの通り、昨夜(ゆうべ)は良い月でしたね、あんな月を見ると、こちとらは袷(あはせ)位は曲げて呑み度くなるが、金兵衞は酒のお代りも言ひつけずに、下手な發句ばかり並べて喜んでゐる――、麻布名物の月見の松の下でね――」「それからどうしたんだ」平次は後を促しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...父さん」死にかけてゐる父親の胡麻鹽(ごましほ)の髻(たぶさ)を取つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...沓(くつ)さしと鹽賣(しほうり)なりし...
樋口一葉 「曉月夜」
...」「鹽鮭がとてもおいしかつたわ...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...この國では(多分この國だけではないかと思ふ)梅を所謂梅干といふ例の皺のよつた鹽鹸(しほから)いものにせず...
若山牧水 「樹木とその葉」
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