...鹹つぱゆさに唇が曲りさうになるのを辛抱しながら...
薄田泣菫 「小壺狩」
...「鹹つぱいな...
薄田泣菫 「小壺狩」
...此理(このり)を知らざる者は海を距(さ)る事遠き所に於て鹹水貝殼の積聚(せきしう)するを見れば頗る奇異(きゐ)の思ひを作すべし...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...淡水は、線を以て描くに宜(よろ)しく、鹹水は、色を以て現わすのが適当という程度のものか知ら……」「一概には言えますまい――しかし、東洋画で、海を描いて成功したものはありませんですか?」「ないことはないでしょうが、私はまだ不幸にしてブッつかりません」「水の変化が、多過ぎるからでしょう」「そうかも知れませんが、また変化が少な過ぎるとも言えます」「あなたはいつぞや、小湊(こみなと)の浜辺に遊んで、海の水の変化と、感情と、生命とを、私に教えましたが、あなたたちの見る変化と、われわれの見る変化とは違います」駒井甚三郎は、海水の一部分だけに眼を落してこう言うと、白雲は、やはり広く眼を注いだままで、「どう違いますか?」「われわれは、まず海の水の色を見ます...
中里介山 「大菩薩峠」
...鹹水産(かんすいさん)と淡水産の区別ぐらいはわかるだろうが...
中里介山 「大菩薩峠」
...橋本は鹹気(しおけ)があるから穀物の種がおろせないのだと云った...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...鹹水(しおみず)にも溶(と)けるとか云って大連でくれた豆石鹸(まめシャボン)でも...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...また鹹酸いと思ッたら...
新渡戸稲造 「人格の養成」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...田辺浜の内の浦などいう処は近年まで鮫毎度谷鰹てふ魚を谷海とて鹹水(かんすい)で満ちた細長き谷間へ追い込み漁利を与えた故今も鮫を神様...
南方熊楠 「十二支考」
...細長い入海か鹹湖で...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
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三好達治 「間花集」
...吸物の淡いのは食塩を加えて直ぐに味を直せますけれども鹹過(からす)ぎたのへお湯を注すとまるで味が抜けてしまいます...
村井弦斎 「食道楽」
...この湾の水は常に鹹(しほから)いのですが...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...甘鹹(あまから)い手の甲の皮膚をシッカリと…………て気を散らそうと試みた……が……しかしその手の甲の肉から湧き起る痛みすらも...
夢野久作 「笑う唖女」
...支那人の云ふ「面鹹(めんかん)」...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...彼は突き刺すやうな鹹の香に...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...強い鹹氣が鼻を衝いた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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