...それは唯はた目には石鹸(せつけん)や歯磨(はみが)きを売る行商(ぎやうしやう)だつた...
芥川龍之介 「素描三題」
...勿論僕の「清潔に」と云ふ意味は石鹸ばかり使つてゐることではない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...石鹸の泡をかきたてることも忘れて...
海野十三 「地球発狂事件」
...インク、紙、ペン、頭のブラシ、着物のブラシ、鏡、石鹸、スポンジ、ポマード、タオル、巻煙草、葉巻、刻み煙草というように、普通の人間の日常要るものは大がいならべてある...
大杉栄 「日本脱出記」
...紅葉寺の裏手の流れへ犬を抛り入れて二人は石鹸の泡に汚れながらその身體を洗つてやつたりした...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...ぬれ手拭いに石鹸箱を包んだのを持って立っていた...
田山花袋 「田舎教師」
...君が例の手拭と石鹸箱を持つてちよこちよこと出て来るのだ」と私...
外村繁 「将棋の話」
...ビスケットは形同じけれども歯グキにねばりつきて歯を害し石鹸はその減り方例えば堅炭と土釜の如き差別あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...彼は其ばり/\した髭面へ刷毛で石鹸を塗られたにも拘らず...
長塚節 「おふさ」
...白い外国石鹸で躯を洗ひながら...
林芙美子 「浮雲」
...黒い鎧戸(よろいど)がおりていて石鹸(せっけん)のような外国の臭いがしている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...石鹸(せっけん)だって...
林芙美子 「新版 放浪記」
...」だから私は石鹸よりも...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...滑りがいいように麻紐にベトベトに石鹸が塗ってあるんですね……むやみに腹がたって...
久生十蘭 「母子像」
...石鹸を二銭がとこも買って...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...人は花王石鹸(かおうせっけん)の広告のごとき顔をそう形容するが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...葡萄酒または石鹸が課税された場合以上には...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...この國では(多分この國だけではないかと思ふ)梅を所謂梅干といふ例の皺のよつた鹽鹸(しほから)いものにせず...
若山牧水 「樹木とその葉」
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