...それは唯はた目には石鹸(せつけん)や歯磨(はみが)きを売る行商(ぎやうしやう)だつた...
芥川龍之介 「素描三題」
...香料や石鹸(せっけん)の香につつまれて...
有島武郎 「或る女」
...一軒の低い建物にはウイン博覧会から持って来た歯磨楊子、財布、石鹸、ペン軸、ナイフ、その他、我国の店先きでお馴染(なじみ)のいろいろな品が、沢山並べてあったが、恐らくこれはこの博物館の出品物と、交換したのであろう...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...その石鹸水が身體を傳つて段々足から洗濯ものの上に落ちて滲み込んでいく...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...かうすると身體を洗ふ爲の石鹸は石鹸水となつて洗濯ものをたつぷりうるほす...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...洗濯石鹸やマッチや元結(もとゆひ)のやうなものまで坐つてゐて用が足せた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...使ひかけの石鹸や褐色のハトロン紙の封筒が十枚ばかり出た時には...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...石鹸を五個六個並べて...
田山花袋 「父の墓」
...すぐに三毛をかかえて風呂場(ふろば)にはいって石鹸(せっけん)で洗滌(せんじょう)を始めたが...
寺田寅彦 「子猫」
...店先にある石鹸(せっけん)の一片でも「ごまかし」て...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...もろ肌を脱いで石鹸で磨(みが)き上げた皮膚がぴかついて黒縮緬(くろちりめん)の羽織と反映している...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...白い外国石鹸で躯を洗ひながら...
林芙美子 「浮雲」
...石鹸(しやぼん)の氣取(きど)りたるも買(か)ふめり...
一葉女史 「ゆく雲」
...繊(ほそ)い左の手に手拭(てぬぐい)やら石鹸箱(シャボンばこ)やら糠袋(ぬかぶくろ)やら海綿やらを...
森鴎外 「雁」
...そうして愈々(いよいよ)強直してしまった、艶(なま)めかしい姿の白坊主をヤットコサと抱き上げて、寝棺の中にソッと落し込んで、三枚襲(がさ)ねの振袖と裲襠(うちかけ)を逆さに着せて、糸錦(いとにしき)の帯で巻立ててやりますと、今度は多量のスポンジと湯と、水と、石鹸と、アルコールとで解剖台面を残る隈(くま)なく洗い浄(きよ)めました...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...洗濯石鹸(しやぼん)一つづつ前へ置き...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...我々はまた一層不可思議な傷ついた骨と緑っぽい石鹸石の公開も差し控えた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...哀れなレイクが遺した不思議な緑っぽい石鹸石の記述との間の類似に気づかないわけにはいかなかったからだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索