...常に鷹揚に構へて...
石川啄木 「菊池君」
...鷹揚に見せかけて鼻であしらったり...
梅崎春生 「Sの背中」
...」とお爺さんは鷹揚に笑ひ...
太宰治 「お伽草紙」
...いま思へば二人とも、頗る鷹揚に、抜けたやうなところのある子であつた...
太宰治 「津軽」
...」とN君は鷹揚に言ひ...
太宰治 「津軽」
...よろしいと鷹揚に答えると...
豊島与志雄 「立枯れ」
...然しあれを少しでももつと鷹揚に無邪氣にして幸福にしてやりたいとのみ考へてゐる...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...娘の側に立って鷹揚に訊ねました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...そうときめよう」と鷹揚にうなずいてみた...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...罪人でも引っ立てるようにして来て花を座敷の真ン中に突きやると、険相な面をしてムンズリと志摩徳の前へ坐り、片手を懐中に入れたまま、ちょっと頭をさげ、「どうか、今年もごひいきに」志摩徳は、ああ、と鷹揚に受けて、「どうも、お手数だった」といって花の方を顎でしゃくり、「これが、そうなのか」「左様です...
久生十蘭 「魔都」
...すらりとした身体を鷹揚に運んで居る処は...
平出修 「瘢痕」
...鷹揚に構へてゐてこそ...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...「ハツハツハ……」「トン子さんに嫌はれますよ、そんなにお酔ひになつて……」「ハツハツハ……」――ハツハツハ、と、鷹揚に、肩をゆすつて笑つたら、阿母の君! どんな顔をするかな、何とか家の、何とか武士の娘! うむ、僕ア如何してもFの処へ行つて来るんだ、何も周子との結婚がうちに祟つたからと云つて、何も彼女を憎む程吾輩だつてケチ臭いわけぢやないんだ、たゞ虫が好かなくなつたまでのことだよ、恰もヘンリー・タキノのそれの如くにさ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...自尊心でも傷つけられた如く鷹揚にかぶりを振ると...
牧野信一 「街角」
...彼は自分の好悪の情を告げ知らせる――いわばきわめて鷹揚にわかち与えるという...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...その時に私が平常(いつも)の通りのニコニコ顔で鷹揚にうなずいた態度も...
夢野久作 「少女地獄」
...鷹揚に肥満した背の高い兄と並び...
横光利一 「旅愁」
...『粗茶を一服さしあげとう存ずるが』内蔵助から申し入れると、『左様か』使者たちは、鷹揚に導かれた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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