...主筆は鷹揚に淡白(あつさり)と構へて居る...
石川啄木 「菊池君」
...あるものと考えていれば間違いはねえな」と卜筮者はしごく鷹揚に構えて...
犬田卯 「錦紗」
...鷹揚に見せかけて鼻であしらったり...
梅崎春生 「Sの背中」
...何の事だ自分の横に坐つてゐる角帶を締めた若旦那らしいのが鷹揚に振返つて點頭(うなづ)く...
高濱虚子 「俳諧師」
...N君みたいにその櫛風沐雨の伝統を鷹揚に誇つてゐるはうがいいのかも知れない...
太宰治 「津軽」
...そこに靜かに鷹揚に一人二人の供を伴れて兼家が狩衣姿で入って來るのを迎へた...
田山花袋 「道綱の母」
...鷹揚に眼尻には笑みを浮べてるようです...
豊島与志雄 「白い朝」
...鷹揚に物品を弄び...
豊島与志雄 「風景」
...然しあれを少しでももつと鷹揚に無邪氣にして幸福にしてやりたいとのみ考へてゐる...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...でも、さすがに殿様らしい自尊心を持ち続け乍ら、風呂場でお腰元にお召換をさせて貰う時のように、いとも鷹揚に、一糸も残さず身ぐるみ脱いでしまったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...鷹揚にうなずきながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...鷹揚におっしゃっていただきたいのでございます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...これも巴里人らしく鷹揚に眼を円くして...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...鷹揚に構へてゐてこそ...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...その上私は従来雨風を知らぬ坊ッチャン育ちであまり前後も考えないで鷹揚に財産を使いすてていたのが癖になっていて...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...幸崎伊次郎は鷹揚に笑つて犀星は大いにやりに来たんだね...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...葛岡氏は鷹揚に笑って...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...『粗茶を一服さしあげとう存ずるが』内蔵助から申し入れると、『左様か』使者たちは、鷹揚に導かれた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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