...『貴方は山内さんですね?』と信吾は鷹揚に見下す...
石川啄木 「鳥影」
...あるものと考えていれば間違いはねえな」と卜筮者はしごく鷹揚に構えて...
犬田卯 「錦紗」
...」といふ素朴の疑問に就いて鷹揚に首を振つて考へ...
太宰治 「お伽草紙」
...N君みたいにその櫛風沐雨の伝統を鷹揚に誇つてゐるはうがいいのかも知れない...
太宰治 「津軽」
...そこに靜かに鷹揚に一人二人の供を伴れて兼家が狩衣姿で入って來るのを迎へた...
田山花袋 「道綱の母」
...前方の若い役人三人はそれぞれ由緒ある士分として幕府なり藩なりの勢力を負うて鷹揚に腰かけたところ...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...井上夫人と田島に鷹揚に詫びた...
豊島与志雄 「自由人」
...鷹揚に物品を弄び...
豊島与志雄 「風景」
...でも、さすがに殿様らしい自尊心を持ち続け乍ら、風呂場でお腰元にお召換をさせて貰う時のように、いとも鷹揚に、一糸も残さず身ぐるみ脱いでしまったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...娘の側に立って鷹揚に訊ねました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...そうときめよう」と鷹揚にうなずいてみた...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...「ハツハツハ……」「トン子さんに嫌はれますよ、そんなにお酔ひになつて……」「ハツハツハ……」――ハツハツハ、と、鷹揚に、肩をゆすつて笑つたら、阿母の君! どんな顔をするかな、何とか家の、何とか武士の娘! うむ、僕ア如何してもFの処へ行つて来るんだ、何も周子との結婚がうちに祟つたからと云つて、何も彼女を憎む程吾輩だつてケチ臭いわけぢやないんだ、たゞ虫が好かなくなつたまでのことだよ、恰もヘンリー・タキノのそれの如くにさ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...何となく鷹揚に点頭いてゐてくれ...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...自尊心でも傷つけられた如く鷹揚にかぶりを振ると...
牧野信一 「街角」
...幸崎伊次郎は鷹揚に笑つて犀星は大いにやりに来たんだね...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...葛岡氏は鷹揚に笑って...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...」孔明は車上から鷹揚にそういって...
吉川英治 「三国志」
...『粗茶を一服さしあげとう存ずるが』内蔵助から申し入れると、『左様か』使者たちは、鷹揚に導かれた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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