...彼の歩みは私のようにせせこましく歩くことなしに緩々(ゆるゆる)と鷹揚な運びである...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...其鷹揚な官吏的(おやくにんてき)な態度とが...
石川啄木 「菊池君」
...忍男が年若ながら何事にも鷹揚な處は生れながらの殿樣であるといふ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...まことに鷹揚なものでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...態度にも何処となく鷹揚なところがあつたし...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...珍しく鷹揚な猫で...
寺田寅彦 「ある探偵事件」
...亦明かに彼れの風采にも躍然たり其昂々焉として鷹揚なる処...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...芸者たちに鷹揚な軽い会釈をして...
豊島与志雄 「肉体」
...鷹揚な笑顔さえ向けます...
野村胡堂 「女記者の役割」
...なんだか御大藩の家老にでもなったような鷹揚な気持になる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...贅沢な衣裳(みなり)とどことなく鷹揚なようすを見ても下町の大賈(おおどこ)の箱入娘だということが知れる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...皇帝が鷹揚なのをいい事にして...
久生十蘭 「魔都」
...鷹揚なことはこのうえもなく...
久生十蘭 「黄泉から」
...鷹揚な機関手の眼(まなこ)に余程異様と映つたのであらう...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...」などゝ鷹揚な口調で話しかけた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...そこは鷹揚な坊チャン育ちの私には金の使い方が確かにマズク...
牧野富太郎 「植物記」
...まことに鷹揚な首領の返事や「それは落選候補の公約であった」という名回答もありました...
宮本百合子 「公のことと私のこと」
...おしゃれと色白の顔と鷹揚な人柄がシックリ一つに溶け合って...
三好十郎 「好日」
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