...彼の歩みは私のようにせせこましく歩くことなしに緩々(ゆるゆる)と鷹揚な運びである...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...其鷹揚な官吏的な態度とが...
石川啄木 「菊池君」
...」押川氏は院長らしく鷹揚な...
薄田泣菫 「茶話」
...鷹揚な態度は既にないのです……ない...
太宰治 「津輕地方とチエホフ」
...それから何もかも承知している第一人者の鷹揚な微笑を忘れないロウルス・ロイス...
谷譲次 「踊る地平線」
...女の好くといふほどの顏ではなかつたけれども――ことに女君の美貌と比べてはとてもしつくり合ひさうにも見えない種類の風采であつたけれども、それでも鷹揚な、靜かな態度の中に何處かに生れついて持つた威が働いてゐて、見ようによつては、好く思はれないこともないほどの器量を持つてゐた...
田山花袋 「道綱の母」
...」「もちろんマアレイさんの鷹揚なところは...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...鷹揚なところという気味の悪い言葉を聞いて...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...亦明かに彼れの風采にも躍然たり其昂々焉として鷹揚なる処...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...芸者たちに鷹揚な軽い会釈をして...
豊島与志雄 「肉体」
...如何にもふつくらとした鷹揚な波が...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...なんだか御大藩の家老にでもなったような鷹揚な気持になる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...なんとも言えぬ厚味のある鷹揚な態度...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...おそろしく威張つた鷹揚なふところ手で脇側に凭りかゝりながら...
牧野信一 「熱い風」
...鷹揚な機關手の眼(まなこ)に餘程異樣と映つたのであらう...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...鷹揚な機関手の眼(まなこ)に余程異様と映つたのであらう...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...」と鷹揚な作り声で笑つた...
牧野信一 「父を売る子」
...同時に鷹揚な姿を見せてゐるものはほかにはない...
吉江喬松 「山岳美觀」
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