...丁度雪の残った棕櫚(しゅろ)の葉の上には鶺鴒(せきれい)が一羽尾を振っていた...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...胸毛(むなげ)の黄色(きいろ)な鶺鴒(せきれい)の雌鳥(めんどり)が含(ふく)みこぼした口紅(くちべに)のやうに浮(う)く...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...右頬を軽く支えている五本の指は鶺鴒(せきれい)の尾のように細長くて鋭い...
太宰治 「風の便り」
...宿の庭の池に鶺鴒(せきれい)が来る...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...鳥居へおりていったら桟橋のうえに鶺鴒(せきれい)が一羽いた...
中勘助 「島守」
...滑(なめら)かな苔の上には再び下り来る鶺鴒の羽の色...
永井荷風 「監獄署の裏」
...同時に昨日(きのう)まで徊(ていかい)した藁蒲団(わらぶとん)も鶺鴒(せきれい)も秋草も鯉(こい)も小河もことごとく消えてしまった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...鶺鴒(せきれい)が下りて來て長い尾を水に叩いてゐる...
水野仙子 「嘘をつく日」
...両足下に猿と鶺鴒(せきれい)とを蹈ませて二手に剣を持たしめたり...
南方熊楠 「十二支考」
...鶺鴒その身辺を飛び廻り...
南方熊楠 「十二支考」
...惟(おも)うに鶺鴒は支那で馬の害虫を除く功あるのでなかろうか...
南方熊楠 「十二支考」
...鶺鴒(せきれい)が淡い黄色を流して飛ぶ...
三好達治 「測量船」
...鶺鴒(せきれい)が鳴いていた...
山本周五郎 「青べか日記」
...鶺鴒(せきれい)が黙って尾羽根を振っていた...
山本周五郎 「いさましい話」
...鶺鴒を驚かしたのは...
吉川英治 「私本太平記」
...鶺鴒(せきれい)の尾のように風におののいていた...
吉川英治 「親鸞」
...眼の前の石に鶺鴒がとんで来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...鶺鴒を見ていた私の眼は...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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