...もう今は世間並みに唯水水しい鶸色(ひわいろ)です...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...鶸色(ひわいろ)の紋織の羽織に...
池谷信三郎 「橋」
...村(むら)へ掛(かゝ)ると、降積(ふりつも)つた大竹藪(おほたけやぶ)を弓形(ゆみなり)に壓(あつ)したので、眞白(まつしろ)な隧道(トンネル)を潛(くゞ)る時(とき)、雀(すゞめ)が、ばら/\と千鳥(ちどり)に兩方(りやうはう)へ飛交(とびかは)して小蓑(こみの)を亂(みだ)す其(そ)の翼(つばさ)に、藍(あゐ)と萌黄(もえぎ)と紅(くれなゐ)の、朧(おぼろ)に蝋燭(らふそく)に亂(みだ)れたのは、鶸(ひわ)、山雀(やまがら)、鸞(うそ)、目白鳥(めじろ)などの假(かり)の塒(ねぐら)を驚(おどろ)いて起(た)つのであつた...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...鶸(ひわ)の嘴(くち)がちょっと触っても微(かすか)な菫色(すみれいろ)の痣(あざ)になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を...
泉鏡花 「薄紅梅」
...薄(うす)い鶸茶(ひわちや)と云(い)ふ絹(きぬ)の...
泉鏡太郎 「艶書」
...鶸(ひわ)色なのや...
中勘助 「島守」
...藍(あい)や鶸(ひわ)や朽葉(くちば)など重(かさな)りあって縞(しま)になった縁をみれば女の子のしめる博多(はかた)の帯を思いだす...
中勘助 「小品四つ」
...鶸がよわ/\した羽をひろげて切ない鳴きやうをして林から刈田を飛びめぐる...
長塚節 「芋掘り」
...鶸がよわ/\した羽を擴げて切ない鳴きやうをして林から刈田を飛びめぐる...
長塚節 「寫生斷片」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...細い澄んだ声を落してゆくのは鶸(ひわ)であつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
......
野口雨情 「螢の燈台」
...鶸茶(ひわちゃ)にけまんを浮かせたあの厚手の吉野...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...あたしと同じ鶸茶の吉野で...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...あたしとおなじ鶸茶の吉野で...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...それと鶸(ひわ)の雄一羽とである...
正岡子規 「病牀苦語」
...かわら鶸(ひわ)などが...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...ペンキの色のなまなましい鶸(ひわ)が群れをなして...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索