...「何を怒(いか)るや怒(いか)り猪(い)の――俄(にわか)に激(げき)する数千騎(き)」突如(とつじょ)として山崩(くず)れ落つ鵯越(ひよどりごえ)の逆落(さかおと)し...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鵯の声に交りて雀の囀りもおのづから勇しくなれり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...法然院ひやゝけく庭にもりたる白沙の松の落葉に秋雨ぞ降る竹村は草も茗荷も黄葉してあかるき雨に鵯ぞ鳴くなる白河村女郎花つかねて浸てし白河の水さびしらに降る秋の雨一乘寺村秋雨のしく/\そゝぐ竹垣にほうけて白きたらの木の花詩仙堂落葉せるさくらがもとにい添ひたつ木槿の花の白き秋雨唐鶸(からひは)の雨をさびしみ鳴く庭に十もとに足らぬ黍垂れにけり下鴨に詣づ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...この通り鵯越(ひよどりごえ)はむずかしい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...山鳥、鵯、雉等は柚太が打つて来るのだが、私は肉食を執ると動悸が激しくなるからと拒んで、自分のわけ前だけを標本に造つてゐた...
牧野信一 「剥製」
...あの横っちょの枝に鵯が来てとまって...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...鵯(ひよ)、文鳥(ぶんちょう)、駒鳥(こまどり)、遊仙鳥(ゆうせんちょう)、そんな小禽(ことり)が、紅葉(もみじ)を蹴(け)ちらして歌いあった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...すでに生田(いくた)と鵯越えの直前まで迫っている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...鵯越(ひよどりご)え一ノ谷の史蹟歩きの果て...
吉川英治 「随筆 新平家」
...鵯越(ひよどりご)え間道(かんどう)”の径路を...
吉川英治 「随筆 新平家」
...鵯越えの抑えとして...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そして鵯越えにかかった彼自身と...
吉川英治 「随筆 新平家」
...義経の鵯越えは、旧暦の二月七日だった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...鵯越えの小道をどんどん降りて行った...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そして会下山と鵯越えときのうの展望を瞼に...
吉川英治 「随筆 新平家」
...鵯(ひよ)、橿鳥(かしどり)、駒鳥、岩乙鳥(いわつばめ)、さまざまな鳥がその恵みを礼讃し、あたりの山草や植物も、かがやかしい芽(め)や花に力をみせて、世阿弥の瞳はクラクラとしてしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...鵯越(ひよどりご)えから敵を真下にのぞみ――」云いかけた時...
吉川英治 「源頼朝」
...「鵯越(ひよどりご)えのうえに出る道を知っておるか」と...
吉川英治 「源頼朝」
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