...北の國では蚊帳の釣手の獨り殘る頃にはもう機織蟲が壁に來て鳴く...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...閑寂を極めたあのクラポオの鳴く声を聞く夕べなど...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...家のが鳴く、家のが鳴く、という子供の声が耳に入って眼を覚した...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...叢林の中で鳴く無数の虫の声だけであった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...脚がぬけない蝿で鳴くひよいととまつてそのまゝ死んでしまう(マヽ)蝿蝿...
種田山頭火 「其中日記」
...剖葦(よしきり)が時を得顔(えがお)にかしましく鳴く...
田山花袋 「田舎教師」
...「せみ鳴くや松のこずえに千曲川...
寺田寅彦 「あひると猿」
...夜と云うに、蝉の一種が鳴く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...何処(どこ)かに鴉(からす)が鳴く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ちんちらでんき皿持(も)てこ汁飲ましょって鳴く鳥がいるのを御存じですか」などと訊(き)いた...
夏目漱石 「道草」
...木のてっぺんで鳴く鳥だと啓吉は誰かに教わったことがあった...
林芙美子 「泣虫小僧」
...とんびがヒョロ/\と鳴く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...読んでやっぱり鳴く鳥も来るのかなあと思った...
宮城道雄 「垣隣り」
...涙のみきりふさがれる山里は籬(まがき)に鹿(しか)ぞもろ声に鳴くという返事を...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...羽根は鳴くだけの役目で滅多(めった)にたってゆくことがない...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...蝉鳴く浦今まで船室の畳の上を...
柳田国男 「雪国の春」
...「ちッちッ」と鳴く鶯の声も...
横光利一 「旅愁」
...しきりに鳴く!」鶯は花の散るのを悲しんで鳴くのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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