...鳰鳥(みほどり)の七潛(かづ)き息衝き...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...鳰鳥(かいつぶり)のように...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...おもむろに鳰(にほ)は滑りぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...見ず、暫時(しばし)、――今はた浮きつ、淨まはる聖(ひじり)ごころのかひがひし、あな鳰の鳥、ひねもすに齋(いつ)きゆくなり時のつぐのひ時はふたりをさきしかばまた償ひにかへりきて、かなしき傷に、おもひでのうまし涙を湧かしめぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...丁度鳰鳥(かいつぶり)の浮巣が潮の差引(さしひき)につれて上(あが)つたり下(お)りたりするやうな工合に……土地(ところ)の老人の言葉によると...
薄田泣菫 「茶話」
...*秋の末つ方月の一夜洛東華頂山境内に笛の音をききて咏める鳰の淨め夏(なつ)なかの榮(さか)えは過(す)ぎぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
...おもむろに鳰(にほ)は滑(すべ)りぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
...鳰(にお)がゐて鳰の海とは昔より十月十七日 琵琶湖ホテル滞在...
高浜虚子 「五百五十句」
...浮き沈む鳰(にお)の波紋の絶間(たえま)なく十一月二十六日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...これを過ぐれば左に鳰(にお)の海(うみ)蒼くして漣水色縮緬(ちりめん)を延べたらんごとく...
寺田寅彦 「東上記」
...日奈久の温泉宿で川上眉山(かわかみびざん)著「鳰(にお)の浮巣(うきす)」というのを読んだ事などがスケッチの絵からわかる...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...「巣へもどる親まつ鳰(にほ)のもろ音哉...
森鴎外 「細木香以」
...「憎い小殿」鳰はすぐ身をくねらせた...
吉川英治 「私本太平記」
...こんなことは遊女の鳰にはたくさんな覚えがある...
吉川英治 「私本太平記」
...力の争いでも鳰にかなわない気がどこかでしている...
吉川英治 「私本太平記」
...ほんとは鳰の力を刎(は)ね返せないわけもなく...
吉川英治 「私本太平記」
...鳰(にお)の宿(やど)まだ五月雨(さみだれ)ぞらの定まりきれないせいか...
吉川英治 「新書太閤記」
...この湖に多く住む鳰(にお)の一羽が泳いでゆくようであった...
吉川英治 「新書太閤記」
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