...鳰鳥(みほどり)の七潛(かづ)き息衝き...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...鳰の淨め夏なかの榮えは過ぎぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...鳰(にほ)や、實(げ)に淨めの童女(をさめ)、尼うへの一座なるらし...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...見ず、暫時(しばし)、――今はた浮きつ、淨まはる聖(ひじり)ごころのかひがひし、あな鳰の鳥、ひねもすに齋(いつ)きゆくなり時のつぐのひ時はふたりをさきしかばまた償ひにかへりきて、かなしき傷に、おもひでのうまし涙を湧かしめぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...*秋の末つ方月の一夜洛東華頂山境内に笛の音をききて咏める鳰の淨め夏(なつ)なかの榮(さか)えは過(す)ぎぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
......
武田祐吉 「古事記」
...これを過ぐれば左に鳰(にお)の海(うみ)蒼くして漣水色縮緬(ちりめん)を延べたらんごとく...
寺田寅彦 「東上記」
...私たちの交際の圏内へ不意にギャロップで飛び込んできた可愛らしい子馬――鳰子の無心な解きほぐしが原因となつたのであらう...
中勘助 「きもの」
...棧敷の上(小曲)渦巻の裕衣(ゆかた)に淡き恋心仇(あだ)し姿の しのばれて涙で唄を 唄ひませう棧敷の上に しよんぼりと仇し姿に 咲く花を伏目になりて唄ひませう鳰(にほ)の浮巣の岸に咲くほのかに白き藻の花のはかなき恋を 唄ひませう...
野口雨情 「野口雨情民謡叢書 第一篇」
...しかも桜のうつくしき趣を詠み出でたるは四方より花吹き入れて鳰(にお)の海 芭蕉木のもとに汁も鱠(なます)も桜かな 同しばらくは花の上なる月夜かな 同奈良七重七堂伽藍(がらん)八重桜 同の如きに過ぎず...
正岡子規 「俳人蕪村」
...そなたの遊女名は」「鳰(にお)といいまする」「鳰ノ君か」口にした杯を...
吉川英治 「私本太平記」
...つき飛ばされたのは鳰だけでなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...こんなことは遊女の鳰にはたくさんな覚えがある...
吉川英治 「私本太平記」
...力の争いでも鳰にかなわない気がどこかでしている...
吉川英治 「私本太平記」
...鳰のせいばかりでないもがきを一そうにしたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...鳰(にお)の宿(やど)まだ五月雨(さみだれ)ぞらの定まりきれないせいか...
吉川英治 「新書太閤記」
...この湖に多く住む鳰(にお)の一羽が泳いでゆくようであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...湖水が見える」「あれが鳰(にお)の湖(うみ)ね...
吉川英治 「宮本武蔵」
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