...燃立つばかりの鳥毛の蹴込(けこ)み...
泉鏡花 「婦系図」
...それは鳥毛のやうに縁がとられて居たり...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ほかにわずかに鳥毛(とりのけ)を産するファロー島があります...
内村鑑三 「デンマルク国の話」
...尻尾(しっぽ)の毛は大鳥毛のようで高く巻き上がって房(ふっ)さりしており...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...何か鳥毛だつような気持を感ぜずにはいられませんでした...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...が、繁みに身を隠して、吻(ほ)っとした途端、ギョッとして思わず総身(そうみ)が、鳥毛立ちました...
橘外男 「仁王門」
...街道の並木の松さすがに昔の名残を止むれども道脇の茶店いたずらにあれて鳥毛挟箱(とりげはさみばこ)の行列見るに由(よし)なく...
寺田寅彦 「東上記」
...挟箱(はさみばこ)や鳥毛の槍(やり)を押し立てて舞踊しながら練り歩く百年前の姿をした「サムライ日本」の行進のために「モダーン日本」の自由主義を代表する自動車の流れが堰(せ)き留められてしまったのである...
寺田寅彦 「箱根熱海バス紀行」
...……白い鳥毛の扁帽を冠った前駆の侍僮が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...鳥毛のついた軍帽と赤縞のズボンのかわりに...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...白い長い鳥毛のついた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...大方はすゝきなりけり秋の山伊豆相模境もわかず花すゝき二十余年前までは金紋さき箱の行列整々として鳥毛片鎌など威勢よく振り立て振り立て行きかいし街道の繁昌もあわれものの本にのみ残りて草刈るわらべの小道一筋を除きて外は草の生い出でぬ処もなく僅かに行列のおもかげを薄の穂にとどめたり...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...「暗夜行路」の主人公謙作が京都で鳥毛立屏風の絵にあるような女(この絵覚えていらっしゃるかしら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鐙櫃(あぶみばこ)のほこりを鳥毛さいはいで...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...漆塗の黒い煙突から渦巻いた煙を帽の上の鳥毛のやうに立たせて走るのを見ると...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...鳥毛(とりげ)の寝台...
夢野久作 「白くれない」
...春が来たぜ! お濠(ほり)の柳が芽を吹いてら! 丸の内へも渡り鳥がやってきたぜ! 三本鳥毛の槍先にチラチラ蝶々が舞っている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...さても見事になあ振って振りこむ花槍は雪かあらぬかさっさ ちらちら白鳥毛振れさ どっこい「お履物(はきもの)を――」「殿様...
吉川英治 「無宿人国記」
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