...鱶(ふか)という魚がきらいでがんしてね...
海野十三 「恐竜島」
...殊にこの辺りの海は夜霧が多く話に聞けば兇悪な大鱶(ふか)さえも出没すると云う...
大阪圭吉 「死の快走船」
...さながら死んだ鱶(ふか)の腹でも眺めているような...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...すると鱶は腹を返して...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...みすみす三十何人の乗合が残らず鱶(ふか)の餌食(えじき)になってしまうのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...何十匹とも知れぬ鱶が人骨の香を慕って集まって来...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...水面とすれすれのところで鱶(ふか)のような鋭い歯の植わった嘴をあけて...
久生十蘭 「地底獣国」
...私は鱶のそばへ泳いで行って...
久生十蘭 「手紙」
...鱶(ふか)が居る...
正岡子規 「病」
...鱶を一目見るや否や梯子(はしご)を下りて来て...
正岡子規 「病」
...胸の辺に口のついてゐる恐しく大きな鱶が...
宮原晃一郎 「動く海底」
...「あツ鱶だ、鱶だ!」と、思はず大声をあげました、しかし、海の底にひとりゐて、潜水兜(かぶと)をかぶつてゐるのですから、誰(だれ)に聞える筈(はず)もなく、只(ただ)自分の耳ががん/\鳴つただけです...
宮原晃一郎 「動く海底」
...今太郎君はそれから鱶(ふか)に出あつた話をくはしく物語りました...
宮原晃一郎 「動く海底」
...下から鱶に襲はれないですんだのだ...
宮原晃一郎 「動く海底」
...鱶のやうにつッ立つて鎌のある納屋にはいり...
室生犀星 「命」
...渺茫(べうばう)たる海面に鱶(ふか)が列を為して現(あら)はれたかと思つたのは三浬(マイル)先の埠頭から二挺櫓(ろ)を一人で前向(まへむき)に押して漕ぐ馬来(マレイ)人の小舟(サンパン)の縦列で...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...此(この)銭(ぜに)拾ひ丈(だけ)が鰐(わに)や鱶(ふか)の害に遇はないのは一つの不思議となつて居ると云ふことだ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...鱶(ふか)のように...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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