...この『鱧の皮』によつて...
宇野浩二 「「鱧の皮 他五篇」解説」
...米僊は私に一度も鱧の御馳走をしなかつたから...
薄田泣菫 「茶話」
...彼の握るものは、鱧(はも)、河豚(ふぐ)、赤魚(あかお)、つばす、牡蠣(かき)、生うに、比目魚(ひらめ)の縁側、赤貝の膓(わた)、鯨(くじら)の赤身、等々を始め、椎茸(しいたけ)、松茸(まつたけ)、筍(たけのこ)、柿(かき)などに迄及んだが、鮪(まぐろ)は虐待して余り用いず、小鰭(こはだ)、はしら、青柳(あおやぎ)、玉子焼等は全く店頭に影を見せなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「へえ、何だって?」「じいやと二人で海岸通りを歩いていたら、酔っ払いのような人が珍しさうに附いて来て、なんや、けったいな犬やなあ、鱧(はも)みたいな犬やなあって、―――」「あはははは」「あはははは」「考えたねえ、鱧とは...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...―――成る程鱧の感じだよ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...コノ間カラ鱧ガ喰イタクッテ仕様ガナインダ」颯子ヲ呼ンデ浜作ニ電話サセ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...刺身ハ鯛ノ薄ヅクリ二人前、鱧ノ梅肉二人前...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...焼キ物ハ予一人ダケガ鱧ノ附焼...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...コレ召シ上ッテ下サラナイ?」颯子ノ前ニ鱧ガソックリ残ッテイル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...「いづうノ鱧鮨ヲ昨日ノウチニ買ッテ置キマシタカラ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...デハソウスルワ」「君ト鱧ヲ食ベルノハ浜作以来ダナ」「ソウダッタワネ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...茶の木と梅の木樹ぶり枝ぶり(日本的)花と葉実(実用的価値)(活花として)・鱧の膽(老祖母追憶)「鱧の皮」自己と他己自己を害ふだけでなく他己をも傷めることは苦しい...
種田山頭火 「其中日記」
...「また鱧(はも)を食わせるな...
夏目漱石 「虞美人草」
...毎日鱧ばかり食って腹の中が小骨だらけだ...
夏目漱石 「虞美人草」
...御昼の膳(ぜん)の上には宗近君の予言通り鱧(はも)が出た...
夏目漱石 「虞美人草」
...――鱧に近い固い鰻だけが美味い...
林芙美子 「旅人」
...注文次第で烏賊でも蛸でも鱧でもを投り込んで食べさせてくれる...
正岡容 「寄席」
...水蛇が鱧(はも)という魚に化るとあるは形の似たるより謬(あやま)ったのだ...
南方熊楠 「十二支考」
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