...かの鰯の頭も信心柄の殊勝な連中が...
石川啄木 「葬列」
...……小鰯(こいわし)の色の綺麗さ...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...(※五)朝野はまたしても私のことを「鯛(たい)に食い飽きて鰯(いわし)を食おうとしている男」と言った...
高見順 「如何なる星の下に」
...海水浴場としても知られてゐる鰯(いわし)の漁場千葉県山武郡片貝村の南方一里足らずの浜辺に沿つた淋しい漁村である...
高村光太郎 「智恵子抄」
...今日の買物一金拾三銭 醤油二合其他一金壱円 酒壱升一金拾弐銭 ゴマメ五十目一金五銭 切干百目一金七銭 バツト一個一金四銭 なでしこ一袋一金七銭 鰯一くぎり一金五銭 竹輪一本一金弐銭 しようが一ツ一金四銭 酢一合一金十銭 古雑誌一冊一金三十銭 酒代借払一金十弐銭 小口色し一金十銭 切手十枚一金五銭 酒粕百目一金十銭 煙管弐本二月十日天地清明...
種田山頭火 「其中日記」
...鰯もうまい、蕗もうまい、蕨もうまい、海のもの山のもの畑のもの、しみじみ味へば何でもうまい...
種田山頭火 「其中日記」
...鰯のあたまを味ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...鰯(いわし)を鯨と見るはずはないからであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...鰯や鯖のような細長いものとかいう風に分類出来るものと思っていたのは大変な間違いであったことが分った...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...鰯雲がむくむくしている波止場の上に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...二番目の鰯(いわし)が二十銭...
村井弦斎 「食道楽」
...先刻の西洋料理に鰯のフエタスとグレーがありましたが鰯は日本料理にしても色々使い道がありましょうね」お登和嬢「ハイ...
村井弦斎 「食道楽」
...糠(ぬか)六合に塩四合を白水(しろみず)で煉(ね)ってその中へ鰯を漬けて圧石(おし)をして二日ばかり過ぎて後(のち)糠を洗って酢で食べてもよいし炙(や)いてもよし...
村井弦斎 「食道楽」
...なだれを打った鰯はまたぎらぎら沸き立って...
室生犀星 「不思議な魚」
...たいていは鰯(いわし)の頭...
柳田国男 「年中行事覚書」
...いやいやそれはスルルではなくて大和ミジュンなんだそうだ(大和ミジュンは鰯である)...
山之口貘 「チャンプルー」
...猫に干鰯(ほしか)でツイ卑しい根性出いたのが悪かった」「この外道等……訳のわからん文句を云うな...
夢野久作 「近世快人伝」
...先日も、さる会で、小林秀雄氏とそんな話題になったところ、小林氏はある年、尾崎氏にさそわれて、小田原在の曾我村へ、梅見に行ったことがあるよしで、『それは君、あそこの梅というものは、花を見るだけでも、すばらしいよ』と言い、また、『何しろ、梅の実を採るためだろうが、梅の木の根へ、ふんだんに、鰯の肥料を、埋けてやるというんだからね、ぜいたくだよ』と、讃嘆していた...
吉川英治 「押入れ随筆」
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