...アブラハムの言によれば「絶頂に達する壑(ガリース)の中の若干は、今や頂上ホテルのゴミ卸樋(シュート)になって了い、如何に登山術を心得た人でも、スノードンの秀麗なる北側面を殆ど絶え間なく落ちて来るジンジャ・ビアの空瓶や、鰯の空缶や、その他の物品を避けるだけの技能は持ち合わさぬ」のであり、また「ラスキンのいわゆる『山の憂鬱と山の栄光』とは不信心な旅行者の群をはこび上げる、キーキーいう煙だらけな山岳鉄道によって攪乱されている」のである...
石川欣一 「可愛い山」
...それから鰯(いわし)は...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...頼まれた短冊を書いて送るべく、学校に樹明君を訪ねて郵税を借りる、酒代を貰ふ、夕方訪ねようといふ、……飯を炊く、鰯を焼く、酒を注ぐ、……ああいそがしい...
種田山頭火 「其中日記」
...鰯――それも塩鰯――と麦飯とはよく調和してゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...鰯(いわし)の一尾も無い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...辨當(べんたう)が盡(つ)きてから勘次(かんじ)は鰯(いわし)をおつぎへ挾(はさ)んでやつた...
長塚節 「土」
...竹串にさされた生鰯が...
林芙美子 「新版 放浪記」
...三船橋から戻つて來たお神さんに鰯を三尾ほど貰つて...
林芙美子 「なぐさめ」
...鰯をとるといって沖へ出たまま...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...鰯の腸(はらわた)の匂いを含んだ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...テニスコートにでもしたいような広場に鰯(いわし)を干しているのが見えた...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...鰯はこうすると大層淡泊になって上品に戴けます...
村井弦斎 「食道楽」
...上等の西洋料理には是非(ぜひ)入用なものでサンドイッチにするにはやはり前の鰯の通りバターをパンへ塗って玉葱を敷いてこのカビヤを挟みます...
村井弦斎 「食道楽」
...「うちじゃあみんなが鰯のあぶらを嫌うんですよ...
山本周五郎 「季節のない街」
...鰯の群を逐(お)いかけ逐いかけサムカッタの方へ旅立って行きます」「サムカッタじゃない...
夢野久作 「近世快人伝」
...博多鰯町(いわしまち)...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...鰯(いわし)十俵...
吉川英治 「大岡越前」
...もし、鰯があれば、梅の木へやるよりは、土地のお百姓がオカズにしてしまうだろう...
吉川英治 「押入れ随筆」
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