...鯉(こい)は、「三日に一本」と、相場の極ツてる通り、溢(あぶ)れることも多いし、鱚(きす)、小鱸(せいご)、黒鯛(かいず)、小鰡(いな)、何れも、餌つきの期間が短いとか、合せが六ヶ(むつか)しいとか、船で無ければやれないとか、多少おツくうの特点有るですが、鮒つりばかりは、それが無いです...
石井研堂 「元日の釣」
...君が鰡堀(りゅうぼり)で出会(であっ)たのも大体(だいたい)同種の物だろう...
関根黙庵 「枯尾花」
...椹野川に沿うて一筋に下つてゆく、潮水に泡がういて流れる、秋の泡とでもいはうか、堤防には月草、撫子が咲き残つてゐる、野菊(嫁菜ではない)がそここゝに咲いてゐる、砂ほこりが足にざら/\して何だか物淋しい、やたらに歩いて入川の石橋に出た、海は見えないけれど、今日は立干をやつてるさうで、鰡が上つてくる、それを網打つべく二三人の漁夫が橋の上で待つてゐる、見物人が多い、私の(マヽ)その一人となつて暫らく見物した、そして労れたので、そこからひきかへした、名田島の中央を横ぎつて、駅の南方をまはつて帰庵したのは夕方だつた、それから水を貰ふやら、粥を煮るやら、お菜をこしらへるやらするうちに、すつかり暮れてしまつた...
種田山頭火 「其中日記」
...「おれの隣へ来たのは鰡八の野郎か...
中里介山 「大菩薩峠」
...確かに鰡八大尽(ぼらはちだいじん)の使者を驚かすに足るものでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...殊に時めく大尽に向って、鰡八、鰡八、と言って横柄(おうへい)に頭から呼びかけるような人は、滅多にないはずなのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...鰡八、鰡八と、事もなげに自分を呼び捨てる怪物が外にあると思えば、よい心持はしないらしくあります...
中里介山 「大菩薩峠」
...鰡八大尽は言うばかりなき不快を感じて...
中里介山 「大菩薩峠」
...鰡八大尽の妾宅の喧(やかま)しいことと言ったら...
中里介山 「大菩薩峠」
...天下の富豪たる鰡八大尽が...
中里介山 「大菩薩峠」
...鰡八がどうしたんだい」と言って悪態(あくたい)をつくものもありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...勝ち誇った鰡八側では...
中里介山 「大菩薩峠」
...鰡八の方でも寝醒(ねざめ)が悪く...
中里介山 「大菩薩峠」
...道庵が鰡八に楯をつくのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして鰡八という奴の面(つら)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友が心で願っている鰡八が...
中里介山 「大菩薩峠」
...道庵先生が鰡八大尽(ぼらはちだいじん)に対抗して...
中里介山 「大菩薩峠」
...○カラスミは鰡(ぼら)の子なり...
村井弦斎 「食道楽」
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