...既に沈を上げし上は一安心なり、早く挙げ終りて、船頭の苦みを除きたしと、引く時は、敵を怒らしめざるように処女の如く引き、引かるる時は、船まで引き去られん勢に逢い、鰓洗う声の、暗中に発する毎に、胸を刺さるる如き思いを為し、口食ひしめ、眼見張りて、両手は殆んど水に漬け続けなり...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...鰓(えら)通して露はに之を提(さ)げ...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...真中(まんなか)の大魚の鰓(あご)が...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...一時頸の両側に魚の鰓孔(えらあな)のごとき孔が幾対かできて...
丘浅次郎 「生物学的の見方」
...水際(みぎは)に白き小波(さざなみ)を薄き鰓(あぎと)にくだきては...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...兵児(へこ)帯を縦に割(さ)いて魚(うを)の鰓(あぎと)を引(ひ)つ括(くゝ)つて...
薄田泣菫 「茶話」
...お前の鰓(あぎと)に黒金の覆輪があり...
高村光太郎 「智恵子抄」
...ピンとするほどはかりをまけた鮒はヒクヒクと鰓(あぎと)を動かしている...
田山花袋 「田舎教師」
...よく見ると鰓(えら)の下に傷あとがあって出血しているのである...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...草鞋虫(わらじむし)は翼鰓虫となる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鰓(えら)から口にロープを通して...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...それを魚の鰓(えら)から顎へと通し...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...鰓(えら)のように下った洗濯物が...
横光利一 「上海」
...文化の古さに縫いつけた新しい鰓のように感じられた...
横光利一 「旅愁」
...わが心は魚(うを)ならねば鰓(えら)を持たず...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...鰓を示唆する形態あり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...球根状で明るめの灰色をした疑似頚部、鰓の示唆なし、緑っぽい五腕の海星配置...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...外のメンバに附属する開口部から完全な発達を遂げた他の二つの呼吸システム――鰓と気孔――へと切り替える機構があるという証拠があった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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