...雪が解けかかると彼れは岩内(いわない)に出て鰊場(にしんば)稼(かせ)ぎをした...
有島武郎 「カインの末裔」
...)(お菜漬(はづけ)だけでも、)私もそこへ取着きましたが、きざみ昆布(こぶ)、雁もどき、鰊(にしん)、焼豆府……皆、ぷんとむれ臭い...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...樺太の鰊取(にしんと)り――」「鰊取りなど...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...從兄弟が鰊釜(にしんがま)を代用して...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...漁船の波止場に近い鰊(にしん)倉庫の横まで来ると...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...それにしても白昼に鰊が消えて無くなるのは不思議であった...
田中貢太郎 「堀切橋の怪異」
...たとえば鰊(にしん)...
中里介山 「大菩薩峠」
...冷凍の生鰊は見当らないようである...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...ヘリングと鰊とが同じものかどうかは...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...小女が鰊と昆布の煮た皿を運んで來た...
林芙美子 「雨」
...鰹(かつお)に眼張(めばり)、白すに里芋、豆腐に生揚、蛸ぶつに鰊...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...二人は鰊の中へ投げだされました...
久生十蘭 「手紙」
...鰊が腋の下や股の間へ顔をつっこむので...
久生十蘭 「手紙」
...鰊を追いながら浅く泳いで来た鱶の一匹が...
久生十蘭 「手紙」
...北方の海には氷が張りつめた食物がなくなった章魚(たこ)はおのれの足を食いつくした春四月まだ雪は南樺太の野を埋めている人夫(たこ)は前借金二十五円にしばられて鉄道工事現場へ追い込まれたへばりついた大雪の残りが消えたドロ柳があおい芽をふいた流氷が去った海岸に鰊(にしん)が群来(くき)たけれど オホーツク嵐は氷の肌の様に寒いや伐材だ切取りだ 低地へは土を盛れ岩石はハッパで砕けさあ...
広海大治 「章魚人夫」
...(b)果して鰊(にしん)売りの女の喧嘩の中には...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...普通「石皿」とか「砂皿」とか「鰊皿(にしんざら)」とか呼ばれている...
柳宗悦 「工藝の道」
...肥料用の干鰊(ほしにしん)の名になっているので...
柳田國男 「食料名彙」
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