...木々の間をぬうて歩めば掘り池に緋鯉の静寂がのぞかれる...
上村松園 「画室談義」
...鯉の水涼しく動きどうしかな六月九日 日本探勝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...泉水に大きな緋鯉が絵に描いたように浮いていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...大きな緋鯉(ひごい)が泳いでいたりした...
徳田秋声 「爛」
...恐らく僕と鯉とだけだったろう...
豊島与志雄 「鯉」
...鯉どころか、ふなや、はやさへ一匹も取れません...
豊島与志雄 「ふしぎな池」
...すぐに、退去せい」八郎太は、鯉口を握った...
直木三十五 「南国太平記」
...鯉の滝のぼりの浴衣をきた飴屋の男が うどどんどん と太鼓をたたきながら肩と腰とでゆらりゆらりと調子をとつてくるあとからあねさんかぶりをした女がぢやんぢやかぢやんぢやか三味線をひいてくる...
中勘助 「銀の匙」
...北陸から東北へかけての山々には、ちょっと拾って見ても、妙高の農牛、黒姫の寐牛、焼山の蝙蝠、白鳥山の鳥、米山の鯉、地紙山の地紙、飯豊山(いいでさん)の牛岩などがある...
中村清太郎 「残雪の幻像」
...――金(きん)の鯉(こい)――と言ったようですが」「金の鯉?」平次はくり返しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今日中は鯉が持たないんですよ...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...ただひとり彼らの頭上にささげ上げられて鯉のように横たわったまま...
牧野信一 「鬼涙村」
...そして寝室は階下にあたる天井の低い六畳間で鯉が静かに水を吐く音が聞えた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...小日向水道町称名寺に「花暦八笑人」「滑稽和合人」の作者滝亭鯉丈の墳墓がある...
正岡容 「巣鴨菊」
...」「また秦の始皇が大きな鯉と寝て風邪をひいたという話でしょう...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...鯉の容器の中をのぞいてみた...
山本周五郎 「季節のない街」
...「いまの鯉は、そのときの主の子供でしょうか」「どうだかな」「そうだとようございますわね」「どうして」「どうしてでも」甲斐は笑って歩きだした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...以書附申進候爰許其後指たる義は無之候得共去朔日府中勢(田中愿藏)多人數繰出候由鯉淵村より注進有之土師村地内に於て田中勢と右村近郷御領地村々の百姓共と多人數打合双方即死手負人出來田中勢土師村放火家數二十軒及燒失結束すれば百姓も役に立つ...
横瀬夜雨 「天狗塚」
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くにざかい 金行灯 ほとんど意味をなさない
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