...乾鮭を夢みるのも...
薄田泣菫 「茶話」
...よく鮭を一枚一枚鱗(うろこ)を拵えて本物のように彫ってあるものなどがあるが...
高村光太郎 「回想録」
...鞠の両人は父の眠っている鮭川の磯に急ぎ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...また、後船鎗と戸棚の中とに、鮭の鑵詰、スープ、羊肉の旨煮(うまに)、その他のご馳走がある...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...もちろん私に「收穫」や「鮭」の繪畫としての佳さ加減を他と比較したりする力はないのだから...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...それに鮭(さけ)の切身でもつけてやろうものなら一かたげに三升ぐらいはペロリと平(たいら)げてしまいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...鮭のこも包にしては長過ぎる...
中里介山 「大菩薩峠」
...鮭(さけ)のはらら子...
中里介山 「大菩薩峠」
...すると突然黒のうちの神(かみ)さんが大きな声を張り揚げて「おや棚へ上げて置いた鮭(しゃけ)がない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...見ると彼の足の下には一切れ二銭三厘に相当する鮭の骨が泥だらけになって転がっている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...不足らしい顏もしない」「氣の毒だな」「鹽鮭見たいな親爺(おやぢ)の子をウジヤウジヤ拵(こしら)へたところで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひょろけるやつを襟首と尻(ヒップ)をつかんで鮭の山の中へ埋めてやると...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...いよいよ鮭時(サモンタイム)がはじまって...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...お客はめいめい盃に一杯ずつ、ちょうどロシアで印形を彫るのに使う、あのシベリア水晶の色合いにしか見られないような、黝んだオリーブ色をしたウォツカをひっかけると、早速フォークを取って四方から食卓に向い、謂ゆる各自の性分や癖をまるだしにして、或る者はイクラを、或る者は鮭を、或る者はチーズをむしゃむしゃと貪りはじめた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...五十五調の句およぐ時よるべなきさまの蛙かなおもかげもかはらけ/\年の市秋雨(あきさめ)や水底(みなそこ)の草を踏み渉(わた)る茯苓(ぶくりょう)は伏かくれ松露(しょうろ)はあらはれぬ侘(わび)禅師乾鮭(からざけ)に白頭の吟を彫(ほる)五七六調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...二十八日に鮭の子を卸して食う...
南方熊楠 「十二支考」
...大きな鮭や鱒がきらつきらつと白く腹を光らせて空中に抛り出されて...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...(涙を横なぐりに拭きながら)なんにしよう? 御飯? 鮭のうまいのがあるよ...
三好十郎 「地熱」
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