...第一下痢(げり)をする時には何だか鮫(さめ)の卵か何かを生み落してゐるやうに感ずるのです...
芥川龍之介 「無題」
...鮫は遂に逃げ去った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...黒鮫(くろざめ)の襲いまする節は...
泉鏡花 「海神別荘」
...長さ四五メートルもあるような鮫(さめ)だの...
海野十三 「怪塔王」
...模型船をかじっていた虎鮫どもは...
海野十三 「軍用鮫」
...その吹き溜りで白鮫号が...
大阪圭吉 「死の快走船」
...鮫港は、蕪島を前に控へて、風致あり...
大町桂月 「十和田湖」
...春三郎は此時萬年町とか鮫ヶ橋とかいふやうな貧民窟に自分等も生活してゐるやうな心持がしてゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...すすけた「恨鮫鞘」鰻谷の段...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...「なんだ」「なんだって、豪いものを見つけた」「どんなことだ」「どんなって、こいつあ、金(かね)の蔓(つる)だよ」「そうか、云ってみろ」「鮫洲(さめず)の山田って云う家を知ってる」「山田、どうした家だ」「それ、地主で、家作持(かさくもち)で、商売もしてる、鮫洲(さめず)の大尽(だいじん)と云や、あの界隈(かいわい)じゃ、知らない者はねえぜ」「ああ、鮫洲の大尽か、知ってる、主翁(ていしゅ)は脚がわるいと云うじゃないか」「そうだよ、俺(おいら)は知ってるのだ」「それが、どうした」「どうの、こうのって、大将、彼奴の細君(おかみ)さんが」声を落して、「男を伴(つ)れて来てるのだぜ」岡本の眼に光があった...
田中貢太郎 「春心」
...その魚の肉を餌にして、さらにカメアジや、鮫(さめ)や、阿呆鳥(あほうどり)を釣り上げた...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...うば鮫(ざめ)を捕獲する一巻でも同じような場面がずいぶん繰り返し長く映写されるので...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...丼飯をつくる仕出屋で鮫屋などといふ家は...
永井荷風 「勲章」
...「ひどい血だつたよ」「短刀の柄(つか)は?」「鮫(さめ)が眞つ赤さ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鮫(さめ)も新らしいが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の最も親しくなったのは羽仁であったが、私と同時にあるいは前後して、ハイデルベルクにいて知り合った人々には、大内兵衛、北吉、糸井靖之(氏はついにハイデルベルクで亡くなった)、石原謙、久留間鮫造、小尾範治、鈴木宗忠、阿部次郎、成瀬無極、天野貞祐、九鬼周造、藤田敬三、黒正厳、大峡秀栄、等々、の諸氏がある...
三木清 「読書遍歴」
...『エンサイクロペジア・ブリタンニカ』十一版二十四巻にかかる大海蛇譚の原因は海豚(いるか)や海鳥や鮫や海狗や海藻が長く続いて順次起伏して浮き游(およ)ぐを見誤ったか...
南方熊楠 「十二支考」
...それから鮫(さめ)などの様な大きい魚になり升と...
若松賎子 「鼻で鱒を釣つた話(実事)」
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