...軒先の月明と鬩(せめ)いでいた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...鬩乎(ひつそり)として話一つする者がない...
石川啄木 「足跡」
...又人心に善悪の奮闘争鬩(そうげき)あるを...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...世界の大勢を知らずに同胞墻(かき)に鬩(せめ)いでいる京阪の中心地に於ける闘争が...
大隈重信 「青年の天下」
...折にふれて感情の小鬩合(こぜりあ)いが起こった...
徳田秋声 「仮装人物」
...それは鬩(せめ)ぎ合うほど極端なものでもなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...矛盾と矛盾が複雑に鬩(せめ)ぎ合つてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...「兄弟牆(かき)に鬩(せめ)ぐも外その侮(あなどり)を防ぐ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...もっとも結合しやすい両国民間の兄弟相鬩(そうげき)的な争闘の悲しみ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...よくぞ鬩めげる数千年...
中原中也 「海の詩」
...個人の内部で鬩ぐのである...
中原中也 「詩と現代」
...国中の兄弟(けいてい)相鬩(せめ)ぐにあらず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...牆(かき)に鬩(せめ)げども外その侮(あなどり)を禦(ふせ)ぎ...
福沢諭吉 「学校の説」
...鬩(いじ)り合いでもしたのかネ」「鬩合(いじりあ)いなら宜がいじめられたの...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それが互に鬩(せめ)ぎ合(あ)ってはどちらとへともつかず動かされながら...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...物質を中心にして相鬩(あいせめ)いでいる都会生活とは何という相違であろう...
松本泰 「秘められたる挿話」
...竜王光を放って鬩(せめ)ぎけるを大王矢を射出す...
南方熊楠 「十二支考」
...眼にみえぬ怒濤(どとう)となってあい鬩(せめ)いでいる...
山本周五郎 「日本婦道記」
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