...軒先の月明と鬩(せめ)いでいた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...此等の間にも時として嚴肅なる矛盾と相鬩とあることを知つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...一言にして盡せば、「己れ」とは局限である、摩擦である、相鬩である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...鬩乎(ひつそり)として話一つする者がない...
石川啄木 「足跡」
...又人心に善悪の奮闘争鬩(そうげき)あるを...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...世界の大勢を知らずに同胞墻(かき)に鬩(せめ)いでいる京阪の中心地に於ける闘争が...
大隈重信 「青年の天下」
...折にふれて感情の小鬩合(こぜりあ)いが起こった...
徳田秋声 「仮装人物」
...それは鬩(せめ)ぎ合うほど極端なものでもなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...矛盾と矛盾が複雑に鬩(せめ)ぎ合つてゐた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...よくぞ鬩めげる数千年...
中原中也 「海の詩」
...個人の内部で鬩ぐのである...
中原中也 「詩と現代」
...または兄弟(けいてい)墻(かき)に鬩(せめ)ぐのその間に...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...牆(かき)に鬩(せめ)げども外その侮(あなどり)を禦(ふせ)ぎ...
福沢諭吉 「学校の説」
...或は言を大にして墻(かき)に鬩(せめ)ぐの禍は外交の策にあらずなど...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...顔を視(み)れば鬩(いが)み合う事にしていた母子ゆえ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それが互に鬩(せめ)ぎ合(あ)ってはどちらとへともつかず動かされながら...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...私は私の内部に絶えず鬩ぎ合ひ...
三木清 「人生論ノート」
...財産を分ち兄弟牆(かき)に鬩(せめ)ぐようになっては...
柳田國男 「名字の話」
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