...今戸から橋場(はしば)をぬけて白鬚橋(しらひげばし)を渡ったんです...
海野十三 「白蛇の死」
...その返礼として鼠鬚筆(そしゅひつ)数本と...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...口鬚(くちひげ)を片手でおさえてクスクス笑った...
太宰治 「正義と微笑」
...虎鬚(とらひげ)をひねりながら飛んで来た...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...中央の卓の上に置いた虎鬚菖蒲(はしょうぶ)の鉢がまず女の室らしい感じを与えた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...青い顔に赤い鬚を生(は)やしてあるのでもっとも獰悪(どうあく)に見えた...
田中貢太郎 「陸判」
...そのあいだにいるのが灰色の鬚をした初老の男...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...口髭といはず顎鬚といはず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...もう一週間以来も鬚をあたる間もない程の忙しさだつたから……」「どうぞ...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...その鬚があって体の曲っているのを長生きの老人に見立てたものである...
牧野富太郎 「植物記」
...宇田川榕菴氏の『植学啓原』ではこの雄蘂の通名を鬚蘂と為し漢訳の『植物学』では単に鬚といっている...
牧野富太郎 「植物記」
...裁判長の鬚は後ろからでも見える――その鬚こそ此の地方での最も誇る可き名物だったのだ...
松永延造 「職工と微笑」
...またトダ婦人は虎が殺された時その前に膝突き自分の額を虎の鬚に触れたらしい...
南方熊楠 「十二支考」
...山羊鬚(やぎひげ)を撫で揃え...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...一個のルンペン屍体(したい)に過ぎなかったのです……しかも頭髪や鬚を...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...往来をウロウロしている限り世界の外交界はこの「鬚野房吉(ひげのふさきち)博士」の存在を無視する訳に行かんと考えている……吾輩を目して新興日本のマスコット……松岡全権以上の偉人として恐れ戦(おのの)いていると云うのか……...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...彼は自分の頤鬚(あごひげ)よりも...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...豐かな頬鬚のつや/\と白い老父は笑つた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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