...銀のやうな白い鬚(ひげ)――それが皆人情の冷さに凍(い)てついて...
芥川龍之介 「枯野抄」
...あまりに頭の毛の伸びた者やすごい鬚面が多かったので...
石川欣一 「比島投降記」
...まづ近處の床屋へ鬚を剃りに行つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...警部らしい鬚男が...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そこには白鬚様があるのでもなし...
大杉栄 「日本脱出記」
...それは家系的な病気と見なすべきものか(わたしには鬚(ひげ)を剃りながら眠ってしまい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...まっくろい口鬚(くちひげ)を噛みしめながら思案したのである...
太宰治 「葉」
...深い鬚(ひげ)の中に明るく眼をかゞやかし...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...そのあとを赫鬚(あかひげ)をはやしたこわい顔の男がおもちゃの熊(くま)を片手にぶら下げてノソリノソリついて歩く...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...私が想像した通り、鬚が赤くて、眼がビィドロのようで、鈍間(のろま)らしい風付(ふうつき)であった...
徳永直 「戦争雑記」
...頤鬚(あごひげ)は今のところきれいに剃(そ)り落としている...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それを見あげる尖(とが)った顎から頬にかけてまっ黒い鬚がかぶさり...
本庄陸男 「白い壁」
...根は太い鬚状で黄赤色を呈しこれから染料を採りいわゆる茜染をする...
牧野富太郎 「植物記」
...わたくしは鬚ぐらい剃らずにいたって...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「最終の午後」
...冑山昨送レ我、冑山今迎レ吾、黙数山陽十往返、山翠依然我白鬚、故郷有レ親更衰老、明年当三復下二此道一...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...「おお、鬚野君...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...ぼくを抱いてその白鬚をこすりつける...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...片手には外套とあご鬚がさわった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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