...菱川(ひしかは)の浮世絵に髣髴(はうふつ)たる女や若衆(わかしゆ)の美しさにも鋭い感受性を震はせてゐた...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...今こそ自分は先生を――先生の健気(けなげ)な人格を始めて髣髴(ほうふつ)し得たような心もちがする...
芥川龍之介 「毛利先生」
...図443は舟夫の二人が飯を食っている光景を髣髴(ほうふつ)たらしめんとしたもの...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...頗るドラマチックの光景を髣髴たらしめます...
石川三四郎 「浪」
...髣髴(ほうふつ)と迫(せま)ってくるものは...
田中英光 「オリンポスの果実」
...室(へや)よりはその流の髣髴を見ることを得ざれども...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...金糸銀糸に捲き上げし美麗の髮は――髣髴と 50天女のそれに似たる髮――無慚亂れて血にひたる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...希(ねがわ)くは髣髴(ほうふつ)として...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...此夕観たりしお俊の人形の顔髪の形は鳥居清長の版画に見る婦女に髣髴たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...モニカとの結合体が髣髴(はうふつ)と現はれた...
長與善郎 「青銅の基督」
...消える印象の名残(なごり)――すべて人間の神秘を叙述すべき表現を数え尽してようやく髣髴(ほうふつ)すべき霊妙な境界(きょうがい)を通過したとは無論考えなかった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...彼の箆先に依つて髣髴されることを思つてやゝともすると冷汗を覚えた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...後に小憎らしい父親の顔が髣髴としてきた...
牧野信一 「スプリングコート」
...髣髴たらしめ得るありがたさ...
正岡容 「小説 圓朝」
...美人髣髴(ほうふつ)として前にあり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...しかも国際文書に髣髴(ほうふつ)とした非常な長文電報である事を確かめた一事であった...
夢野久作 「暗黒公使」
...水天髣髴(すいてんほうふつ)の境...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...この画を通じてこの画よりもさらに偉大な多くの画のあった時代を髣髴(ほうふつ)し得るのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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