...早く、あれを、あれを……」突如として劈(つんざ)くような金切声が響き渡ったかと思うと、黒衣の京子が、二青年の手を振り払い、後手に縛られたまま、髪振り乱して、兄の側へ駈け寄った...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...それが何と、髪振り乱して、鼠色の着付を引摺った幽霊でもあることか、水々しい島田髷(しまだまげ)に、薄化粧までした、十七八の美しい娘...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...藻屑のなかで髪振り乱して魚の餌食となりまする...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...狂女のように髪振り乱して後ろから走った...
吉川英治 「剣難女難」
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