...両極の持味を髣髴(ほうふつ)して死のう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...夏見たままの姿で園の眼の前に髣髴(ほうふつ)と現われでた...
有島武郎 「星座」
...豊岡附近に髣髴たるものがある...
石川欣一 「山を思う」
...恐と望とに狂ひ歡ぶ無數の眼が髣髴として乳色の光を放ち天の一方に靉(たなび)いてゐる...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...希(ねがわ)くは髣髴(ほうふつ)として...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...春章(しゅんしょう)写楽(しゃらく)豊国(とよくに)は江戸盛時の演劇を眼前に髣髴(ほうふつ)たらしめ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...此夕観たりしお俊の人形の顔髪の形は鳥居清長の版画に見る婦女に髣髴たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...首(くび)擡(もちや)げてんの見(み)ちや本當(ほんたう)に厭(や)でねえ」おつたは幾(いく)らいつても竭(つ)きない當時(たうじ)を髣髴(はうふつ)せしめようとする容子(ようす)でいつた...
長塚節 「土」
...彼の作品の中にメリメの作品を髣髴させるものの多いのは當然であると言はねばならぬ...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...空に浮游するとまことに節足類のうごめくさまを髣髴させた...
牧野信一 「山峡の凧」
...――昔、私の祖父が山霊の妖気に魂を奪はれて、屡々とその根元で哀れな遊楽の妄想にうつゝを抜かしたと云はるゝ大唐松が独り禿山の頂きに逞ましい腕を張つて巨人の踊りを、髣髴させてゐた...
牧野信一 「剥製」
...親父の圓太郎が師匠の二代目三遊亭圓生の身振りうれしき芝居噺の画面の姿を髣髴(ほうふつ)と目に躍らした...
正岡容 「小説 圓朝」
...丁度(ちやうど)淡紅色の櫻草(さくらさう)の花に髣髴(さもに)てゐる...
三島霜川 「平民の娘」
...一本の立木さえ生きのこっていることが出来なかった当時の有様を髣髴として...
宮本百合子 「女靴の跡」
...苦心に疲れている半白の小ぢんまりした母親のおとなしく賢い顔つきが勉の目に髣髴(ほうふつ)とした...
「小祝の一家」
...其中に一箇の薄命なる女子の生涯が髣髴として現れるであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...東野と真紀子の航海の愉しいさまを髣髴させているばかりではなく...
横光利一 「旅愁」
...その辞々句々を、細心に含味してゆくと、およそ、武蔵が、六十年の巷で、何を知って来たか、どう歩いてきたか、髣髴と、彼の生涯が、分ってくる...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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