...しかし我我は同じ言葉に髯(ひげ)の長い西洋人を髣髴している...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...両極の持味を髣髴(ほうふつ)して死のう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その夜の情景は髣髴(ほうふつ)と浮んで来たが...
梅崎春生 「幻化」
...それが少しずつ髣髴(ほうふつ)とよみがえって来...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...姿神女に髣髴の麗人...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ふしぎとその人柄が髣髴としてきて...
豊島与志雄 「話の屑籠」
...太閤の姿が髣髴として現はれ...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...首(くび)擡(もちや)げてんの見(み)ちや本當(ほんたう)に厭(や)でねえ」おつたは幾(いく)らいつても竭(つ)きない當時(たうじ)を髣髴(はうふつ)せしめようとする容子(ようす)でいつた...
長塚節 「土」
...母の全体はとても髣髴(ほうふつ)する訳に行かない...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...腹の中では母のいわゆる話なるものの内容を朧気(おぼろげ)ながら髣髴(ほうふつ)した...
夏目漱石 「行人」
...みすぼらしいところに髣髴(ほうふつ)として揺曳(ようえい)している...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...雲耶山耶呉耶越 水天髣髴青一髪万里泊舟天草洋 煙横蓬窓日漸没瞥見大魚波間跳 太白当船明似月折角の詩碑が...
長谷健 「天草の春」
...暗黒の宇宙で空しい旋転をつづける全太陽系遊星の未来の予想図に髣髴するといわれる...
久生十蘭 「南極記」
...私のあれらの体操振りは寧ろ現代的なる方法を髣髴する概があつたと思はれるのだ...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...髣髴たらしめ得るありがたさ...
正岡容 「小説 圓朝」
...それを眼前に髣髴(ほうふつ)せしめることができない以上――いったいその軍隊をむりにも想像に浮かばせるような...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...眼前に髣髴(ほうふつ)としてくるようだ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この画を通じてこの画よりもさらに偉大な多くの画のあった時代を髣髴(ほうふつ)し得るのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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