...或疑問を髣髴(はうふつ)した...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...我我の祖先は「神」と言う言葉に衣冠束帯の人物を髣髴(ほうふつ)していた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...髣髴(ほうふつ)として浮び出したじゃありませんか...
芥川龍之介 「妖婆」
...それは私に本能的生活の面影を微(かす)かながら髣髴(ほうふつ)させる...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...無紋の白張(しらはり)に髣髴(ほうふつ)する...
泉鏡花 「浮舟」
...随って一局面より形体全部の象を最も明瞭に髣髴たらしむ可き特徴を択ばざる可からず...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...富士見越の途中から遙に遠くその髣髴を認めることの出來る三界瀑...
田山花袋 「日光」
...その中のあるものたとえば「古椿(ふるつばき)」や「雪女」や「離魂病」の絵にはどこかに西欧の妖精(ようせい)らしい面影が髣髴(ほうふつ)と浮かんでいる...
寺田寅彦 「小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」」
...いずれにもせよ四百年前回々(フイフイ)教徒のために奪掠せられたる旧都はふたたびその旧主人たるキリスト教徒の手に回復すべきはすでに歴史の眼中に髣髴(ほうふつ)たるを見るなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...此夕観たりしお俊の人形の顔髪の形は鳥居清長の版画に見る婦女に髣髴たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...なおその姿が髣髴(ほうふつ)として眼前に残っていた...
新渡戸稲造 「自警録」
...これらの花々は過ぎ去った日の還らぬことどもを髣髴と眼の前に漾わす...
原民喜 「夢と人生」
...やがて事実となつて再び白堊館の大椅子に収り終せたテオダル・ルーズベルトの偉大な人気を髣髴させるが如く...
牧野信一 「サクラの花びら」
...その飲酒者は深甚な思慮を回らせつつあることが髣髴されるのだ...
牧野信一 「沼辺より」
...恰も浦島太郎の夢を髣髴する村でまつたく私は...
牧野信一 「山の見える窓にて」
...髣髴とさせられよう...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...その眼底に髣髴(ほうふつ)する焦燥をありありと燃え立てさせた...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...小さい庭に雑然と木を植え込んだ庭ほど緊張を失った生活を髣髴せしめるものはない...
室生犀星 「日本の庭」
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