...併(しか)も先生は俗悪な社会の道徳や習俗に対して何の苦痛の感も抱かずに接しながら一方にまた高遠な理想を説いてお出になつて...
伊藤野枝 「S先生に」
...砂糖とは他でもない「高遠の理想」の事さ...
薄田泣菫 「茶話」
...その志向するところ甚だ高遠なるわが黄村先生に於(お)いてをやである...
太宰治 「花吹雪」
...その高遠な思想が何處にでもあるといふことになるのでございますか?』『さうなります……...
田山花袋 「道綱の母」
...エーテルは果して存在しているか否か? マルクス的価値とアインシュタイン的価格とはいずれが高価なるや否や? 神聖にして犯すべからざる物は世界に果して幾個存在するか否か?――凡そこれ等の問題は極めて高遠に形而上的なる問題である...
辻潤 「錯覚自我説」
...科学を社会生活と無関係な高遠なものと決めてかかっているのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...高遠なる心をお授けくだされた創世主に感謝せられるがよい...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...つまり一時われわれの間でやかましくいわれた「すべての美しくして高遠なるもの」のあらゆる微妙な陰影を意識するのに...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...美しくして高遠なるものを見つけだしたろう...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...すべての美しくして高遠なるものを愛するからである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...同時に「美しくして高遠なるもの」を生涯のおわりまで...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...この「美しくして高遠なるもの」の発作が...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...キリストの理想があまりに高遠で...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...もし予をして幾何か俳句の高遠なる趣味...
正岡子規 「俳句の初歩」
...高遠な意志が胸に一ぱいあって...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...高遠な理想にとりつくよりも実際にはひと皿の焼き味噌のなかに真実を噛み当てるものだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...信濃高遠(しなのたかとお)の仁科(にしな)五郎様からの早打があり...
吉川英治 「新書太閤記」
...信州高遠(たかとお)の城にあった仁科五郎信盛(にしなごろうのぶもり)は...
吉川英治 「新書太閤記」
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