...貫名海屋の高弟として聞えた谷口靄山が亡くなるまで長く住んでゐた...
薄田泣菫 「質屋の通帳」
...先生の高弟島貫兵太夫氏は兄弟子に当り...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...第一の高弟(こうてい)とでもいうところでしょうか...
太宰治 「新ハムレット」
...姉の方へは、あれから一遍雪子ちゃんに来て貰おうと思いながら、そのうちに機会があることと心待ちにしていたけれども、去年もとうとう何処からも好い話がなく、今年ももう節分が来てしまった、ついては、別に用事があるのではないが、私も久しく雪子ちゃんの顔を見ないし、雪子ちゃんもそろそろ此方が恋しくなった時分であろうから、差支えなかったら、何と云うこともなく暫(しばら)く寄越してくれないであろうか、ちょうど幸い同封したような山村舞の会があって、こいさんも出演することになり、是非雪子ちゃんに見て貰いたいと云っているから、―――と、簡単にそう書いてやったが、雪子の方へは少し細々(こまごま)と、今度の会は故師匠の追善と云う名目なのであるが、こう云う催しも時局への遠慮から追い追い困難になるらしいので、今のうちに一遍見て置いたらどうかと云うこと、こいさんも、何分急な話ではあり、あれきり稽古(けいこ)を怠ってもいるので、一往辞退したのだけれども、これきり当分舞う折もないことを思い、且(かつ)は亡きお師匠さんへの供養(くよう)でもあると思って承諾したような訳であること、だから今度を外すと、もうこいさんの舞を見る機会もないであろうこと、そんな事情で、こいさんの出し物はとても新しいものを準備する時日がないので、去年手がけた「雪」を、又大急ぎで稽古して出すことにしたこと、衣裳(いしょう)だけはこの前のものを使う訳にも行かないので、去年あたしが小槌屋(こづちや)で染めさせたあの小紋、あれならお誂(あつら)え向きであるから、あれを着せることにしたこと、こいさんの稽古を見てくれる人は、故師匠の高弟で、大阪の新町に稽古場を持っている「さく以年(いね)」と云う人であること、それやこれやで、こいさんはこのところ毎日新町へ稽古に通うやら、帰って来ると私に地を弾かしてもう一度おさらいをするやら、その間に仕事部屋へも詰めるやら、相変らずの活躍を続けていること、私も毎日地を弾かされるので忙しいが、「雪」の三味線は覚束(おぼつか)ないので、琴で弾いていること、そんな風にしていると、こいさんも憎めないけれども、この人のためには近来何かと気を遣わされることが多いので、手紙にはちょっと書けないが、雪子ちゃんが来てくれたらいろいろ聞いて貰いたいことがあること、悦子も、去年の舞の会の時にも姉ちゃんはいなかったから、今度はどうしても見に来なければいけないと云っていること、等々を云ってやった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼の高弟たる本居宣長また然りで彼は幕府が倒壊し...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...兵道家牧仲太郎の高弟...
直木三十五 「南国太平記」
...千葉の高弟で手は利(き)いていたはずだが」「佐々木も速見も聞ゆる使い手じゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...小林と申す剣道の師範役の高弟が斬られたのじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...高弟の道六に引渡して...
中里介山 「大菩薩峠」
...高弟藤舎芦雪(ろせつ)...
長谷川時雨 「神田附木店」
...六右衛門さんはトゥルヌゥル先生の高弟で...
久生十蘭 「だいこん」
...巴里(パリイ)ではランティイヌ・ド・サンポワン女史が氏の高弟と称すべき女(ぢよ)詩人である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...「さ、寛(くつろ)ごう」食後の茶になると、四高弟は、円座を思い思いの居心地へ移して、膝を抱えるのもある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...こよい四高弟の者が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...五もちろん、武蔵の暴言には、四高弟のほか、そこにいる面々は皆、尠(すくな)からず、激昂(げっこう)した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...なかなか感情をうごかさなかった四高弟の者も...
吉川英治 「宮本武蔵」
...石舟斎へ会いにまいる」「なに?」さすがの四高弟も...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あんなのが高弟じゃ吉岡道場もざまはない)ことおかしげに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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