...而して彼等は恋愛中に発見する高尚なる幸福は人生に対する高貴なる職務にして神に仕ふるより敬虔の念に於て遙かに優れたるものであると感じてゐる...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...彼の頭の上には一種高尚なる光栄ある禿があるのだ...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...我ら弱きものを愛して自己の高尚なるを感ずるものなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ついにこの邦語を以て高尚なる学問を教えるということの端緒が現われた...
大隈重信 「学問の独立と東京専門学校の創立」
...一体実行せずに高尚な理屈をいったところでそれが何になる...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...より高尚な能力をそのあいだ眠りこませるものではなく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...『高尚な感情を具えた女房』であった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...高尚な事物に関する色々な話が単なる話にとどまって...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...高尚な音楽の趣味があるはずはないけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...また自分らよりも遥(はるか)に高尚な人である...
夏目漱石 「坑夫」
...人間(にんげん)は熱誠を以て当(あた)つて然るべき程に、高尚な、真摯な、純粋な、動機や行為を常住に有するものではない...
夏目漱石 「それから」
...屑屋なんていうてあいが海鼠板(なまこいた)で囲った簡素高尚なバラックを建てて住んでいる...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...いとも高尚な物象に一心を打ちこむことの出来る人は幸福である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...藝術家の生活といふものを一種特別の高尚なものだと思ひ違へて憧(あこが)れた事もあつたが...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...わたくしはいつまでも起きていてこんな風にあなたと高尚なお話がいたしたいのでございますが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ことに高尚な技術...
柳田国男 「家の話」
...もう少し高尚な理由があったのかもしれないが...
柳田国男 「故郷七十年」
...空気を喰って満腹するのは最高尚な生活であろう...
夢野久作 「能とは何か」
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